結跏趺坐

結跏趺坐（けっかふざ）

結跏趺坐は、仏教やヨーガで用いられる瞑想時の座法であり、特に禅宗で非常に重視されています。この座法は、足を組んで坐るスタイルで、見た目にも特徴的です。

定義と意味

「趺（あし）」は足の甲、「結」は趺を交差させることを意味します。「跏」とは、反対側の足を太ももの上に乗せることを指します。結跏趺坐は、足を組んだ形状が特徴的で、座る際には両足が組み合わされます。この座法は、坐禅の基本的な姿勢として重要視されており、仏教の信徒にとって極めて神聖な坐り方とされています。

坐禅における結跏趺坐の実践

坐禅を行う際の実際の手順は、まず坐蒲（座布団）に浅く腰掛け、一般的なあぐらのように座ります。その後、右足を右の股の上に乗せ、かかとが下腹部に触れるまで持ち上げます。次に、左足をその上から右の腰の付け根に載せることで、結跏趺坐が完成します。この姿勢は、仏教徒が心を落ち着け、瞑想する際の基本的なスタイルとなります。

結跏趺坐の種類

結跏趺坐にはいくつかのバリエーションがあります。以下の2つが特に有名です。

1. 吉祥坐（きちじょうざ）: これは左の足を右の股の上に載せ、その上から右足を左腿の上に乗せる方法です。脛の交差は右上となります。この姿勢は悟りを得た者の坐法として知られ、密教では「蓮華坐」と呼ばれることもあります。

2. 降魔坐（ごうまざ）: こちらは右足を左腿上に載せ、その上から左足を右腿の上に載せる方法です。脛の交差は左上となり、この姿勢は無理のない修行を目指す者に適しています。仏教修行の過程において、重要な意味を持っています。

このように、結跏趺坐はその種類に応じて行う意図や目的に違いがあります。

ヨーガにおける結跏趺坐

ヨーガでは、この坐法は「パドマ・アーサナ（蓮華坐）」として知られています。結跏趺坐を含むほとんどの座法は、下半身の柔軟性が求められるため、一般の人々にとってはその姿勢を維持することが難しい場合があります。柔軟性があるならば、下半身の力を用いて脚を組んだまま軽くジャンプすることも可能ですが、これは特別な練習の結果に過ぎません。

半跏趺坐の概念

結跏趺坐に対して、半跏趺坐も重要な坐法の一つです。半跏趺坐は片足をもう片方の上に乗せて座るスタイルで、別名「菩薩坐」とも呼ばれます。これは身体が柔軟でない人や、長時間の坐禅において快適さが求められる時に用いられる座り方です。特に専門の僧堂での接心の時には、半跏趺坐が主体となります。

まとめ

結跏趺坐は、仏教やヨーガにおいて瞑想や修行の際に重要な役割を果たす座法です。その種類は多様で、それぞれが異なる意味や目的を持っています。瞑想の実践を通じて、内面の平安を得るためにも、この座法は非常に価値があります。

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