統一主体国民会議

統一主体国民会議（とういつしゅたいこくみんかいぎ）

統一主体国民会議は、韓国第四共和国の維新憲法に基づいて設立された機関であり、国民の意志を体現することが目的とされていました。実際には、この会議は大統領を選ぶことが主な役割となっており、その機能はかなり制限されていました。

歴史的背景

1971年、大統領直接選挙において、現職の朴正煕候補は野党候補の金大中に対し、90万票差という厳しい結果となりました。この状況を受けて、朴正煕大統領は自身が確実に当選できるように、この統一主体国民会議を設立したとされています。実際には、国会議員の3分の1が大統領の推薦候補者名簿に基づいて選出されており、彼らは「維新政友会」という院内会派を形成しました。

組織と機能

統一主体国民会議の議長は大統領が兼任し、特定の状況下で会議を開く必要がある場合は、運営委員の中から数名を指名して会議の進行を担わせます。さらに、議長が指名する20人以上50人以下の代議員からなる運営委員会も設置されており、ここでは代議員の資格審査や懲戒などの重要事項が議論されます。この委員会の委員長を務めたのは郭尚勲氏です。

会議の代議員は、特定の政党に所属することが禁止されています。代議員の選挙は第一期（1972年12月15日）と第二期（1978年5月18日）の2回行われましたが、候補者の個別の選挙運動は禁止されており、選挙管理委員会による合同演説会が1回と、選挙ポスターや公報を利用した形式的なものでした。また、野党側の候補者登録は官憲の妨害を受け、多くの候補が立候補できない状況が続きました。

影響と後継

朴大統領が暗殺された後、崔圭夏と全斗煥も統一主体国民会議を経て大統領に就任しました。この流れから、統一主体国民会議は朴正煕の事実上の後継機関としての役割を注視されました。

このように、統一主体国民会議は名目上は国民の意志を反映する機関でありましたが、実際には政治的なコントロールの強化や特定の権力者の意向が色濃く反映された組織であったと言えます。

まとめ

統一主体国民会議は韓国の政治史において重要な役割を果たしましたが、その実態は大統領選出機関としての機能に留まりました。内政的な枠組みを利用した権力維持の手段として機能したことが、今後の政治体制に大きな影響を及ぼした点に注目するべきでしょう。

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