絲原武太郎 (13代)

絲原武太郎 (13代)

絲原武太郎（いとはら ぶたろう、1879年11月21日 - 1966年9月4日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の地主、実業家、政治家です。鉄師絲原家の13代目当主であり、貴族院多額納税者議員も務めました。旧姓は江角、旧名は徳次郎です。

経歴

島根県出雲郡原鹿村（現出雲市斐川町原鹿）で、地主・江角勝太郎の次男として生まれました。1900年に東京正則中学校を卒業後、東京高等商業学校（現一橋大学）に入学しますが、1901年に鉄師糸原家12代・絲原武太郎の養子となり中退しました。1911年、養父の死去に伴い家督を継承し、武太郎を襲名しました。

家業であった製鉄業は1922年に廃業し、新たな事業として先代が推進した植林を継続する中で製炭に着目しました。「島根木炭」として関東地方にも出荷しています。農業分野においては、先代から引き継いだ開墾事業を継続し、農事改良組織「絲原農会」を組織して、地主と小作人との間の調整を図り、小作人への技術指導も行いました。

金融界においては、1911年に八雲銀行頭取に就任。1916年には松江銀行などと合併し、新たに誕生した松江銀行の頭取に就任しました。1941年に米子銀行と合併して山陰合同銀行が設立されると取締役となり、1959年から死去するまで会長を務めました。

また、先代からの悲願であった宍道（現松江市）から木次（現雲南市）間の鉄道敷設のため、1914年に私鉄簸上鉄道株式会社を設立して社長に就任し、1916年に営業を開始しました。1934年に鉄道省に移管されるまで社長を務めました。

その他、1940年からは出雲電気社長を務めたほか、山上生産取締役、山陰新聞社長、島根県農会長、同山林会副会長、同米穀会副会頭、帝国中央畜産会評議員、帝国農会議員など、多岐にわたる役職を歴任しました。政界では、八川村会議員を務め、1925年9月29日に貴族院多額納税者議員に任じられ、1939年9月28日まで二期在任しました。

親族

妻：絲原律（木佐徳三郎五女）
長男：絲原義隆

参考文献

『島根県歴史人物事典』山陰中央新報社、1997年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
『島根県大百科事典』上巻、山陰中央新報社、1982年。
人事興信所編『人事興信録』第14版 上、1943年。
* 『財界二千五百人集』財界二千五百人集編纂部、1934年。

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