絶体×絶命

絶体×絶命（映画）

作品概要

『絶体×絶命』（原題: Desperate Measures）は、1998年にアメリカ合衆国で製作・公開されたサスペンス映画です。監督はバーベット・シュローダーが務め、一人の刑事と凶悪犯が、幼い命を巡って繰り広げる極限のドラマを描いています。

あらすじ

サンフランシスコ市警察の刑事フランク・コナーは、愛する一人息子マシューが白血病を患い、骨髄移植以外に助かる道がないという絶望的な状況に直面していました。妻に先立たれ、男手ひとつで息子を育ててきたフランクにとって、マシューの命は何よりも大切なものです。しかし、移植手術に必要な骨髄の適合者が、世界中を探しても一向に見つからず、時間だけが容赦なく過ぎていきます。父親としての焦りと無力感に苛まれる日々の中、フランクは最後の望みをかけて、法的な手段を超えて入手したFBIの機密資料を調べます。その膨大な記録の中から、ついに息子の命を救える可能性のある適合者を発見します。

しかし、その人物の名はピーター・マッケイブ。彼はIQ150という類稀な知能を持つ一方で、過去に幾度となく脱獄を試み、その過程で多数の看守や囚人の命を奪ってきた極めて危険な凶悪犯でした。現在、厳重な警戒のもと終身刑で刑務所に収監されているマッケイブこそが、マシューにとって唯一の適合者だったのです。フランクは、息子を救うため、この冷血な犯罪者との面会を決意します。刑務所に赴いたフランクは、マッケイブに対し、息子のために骨髄を提供してくれるよう必死に懇願します。しかし、人の命など何とも思わないマッケイブは、フランクの切実な訴えに耳を傾けようとせず、嘲笑うかのように冷淡な態度を取り続けます。

絶望に打ちひしがれるフランクでしたが、事態は予期せぬ方向に動き出します。マッケイブが突如として、ある条件と引き換えにドナーとなることを提案してきたのです。息子を救える可能性があるならば、どんな条件でも受け入れようとするフランクは、その取引に応じます。かくして、移植手術のため、マッケイブは厳重な警備のもと、病院へと移送されることになります。しかし、知能犯であるマッケイブの真の目的は、この機会を利用した大胆不敵な脱獄計画の実行にほかなりませんでした。病院という閉鎖された空間で、命を救おうとする父親と、自由を求める凶悪犯。それぞれの思惑が交錯し、予断を許さない緊迫した状況が生まれます。フランクは、マッケイブの脱獄を阻止し、息子を救うことができるのでしょうか。そして、命の尊厳と、法や倫理観の間で揺れ動く人々の葛藤が描かれていきます。

主要登場人物

ピーター・マッケイブ: IQ150という驚異的な知能を持つ、極めて危険な犯罪者。冷酷で残忍な性格で、脱獄と殺人を繰り返してきた。マシューの唯一の骨髄適合者。
フランク・コナー: サンフランシスコ市警の刑事。妻に先立たれ、白血病の息子マシューを男手ひとつで育てている。息子を救うためなら手段を選ばない覚悟を持つ。
マシュー・コナー: フランクの9歳の息子。白血病を患っており、骨髄移植を必要としている。
サマンサ・ホーキンス: マシューの主治医。マシューの治療に尽力する。
ジェレミア・キャシディ: フランクの上司にあたる警察署長。

スタッフ

監督: バーベット・シュローダー
製作: バーベット・シュローダー、スーザン・ホフマン、ゲイリー・フォスター、リー・リッチ
製作総指揮: ジェフリー・チャーノフ
脚本: デヴィッド・クラス
撮影: ルチアーノ・トヴォリ
音楽: トレヴァー・ジョーンズ
編集: リー・パーシー

『絶体×絶命』は、絶望的な状況に置かれた親の愛と、冷徹な犯罪者の策略がぶつかり合う、スリリングなサスペンス作品です。命の尊厳、倫理、そして人間の極限状態での行動が問われるドラマが、観る者を引きつけます。

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