絶対に怖い

絶対に怖い

『絶対に怖い』（ぜったいにこわい）は、2012年（平成24年）から日本で製作・販売されているホラーオリジナルビデオシリーズです。この作品群は、かつて日本のホラードキュメンタリービデオというジャンルにおいて高い人気を博した『ほんとにあった！呪いのビデオ』シリーズの制作に携わっていたスタッフが新たに手掛けたシリーズとして知られています。彼らが過去の経験で培ったノウハウや恐怖表現への知見を基に、新たな視点と手法で恐怖を描き出そうとした結果が本シリーズと言えるでしょう。

本シリーズは、その内容から「ホラードキュメンタリー・ドラマシリーズ」とも称されます。単に心霊現象や不可解な出来事を記録したとされる映像を集めるだけでなく、その映像の背景にある真相を探るための調査や、関係者へのインタビュー、さらには臨場感を高めるためのドラマ仕立ての再現パートなどを組み合わせて構成されています。このようなドキュメンタリー的な要素とドラマ的な演出を融合させる手法により、視聴者は単なる映像の羅列ではない、より物語性や現実味を感じさせる複合的な恐怖体験を味わうことができます。これは、怪奇現象が実際に起こりうるものとして提示されるリアリティ系ホラー作品の特徴を継承しつつ、さらに一歩踏み込んだ表現を模索した結果と言えるでしょう。

『絶対に怖い』シリーズの製作は株式会社CHANCE iNが担当し、販売は株式会社ジョリー・ロジャーが行っています。これらの会社は、オリジナルビデオ作品の企画、制作、流通において役割を担いました。

シリーズ中で特筆すべき点のひとつに、BGM（背景音楽）の使用に関する特徴があります。例えば、『絶対に怖い動画3 ヤバイ映像SP』という作品では、過去にリリースされた『ほんとにあった！呪いのビデオ』シリーズの一部の巻数、具体的には16巻から22巻、そして76巻から81巻で使用されていたBGMが流用されています。これは、単なる偶然やコスト面での理由だけでなく、両シリーズが制作背景で繋がっていることや、共有する恐怖の世界観を音楽によって暗示する意図があった可能性も考えられます。長年にわたりホラーファンに聴き馴染んできたBGMが使用されることで、一種の懐かしさとともに、既視感のある恐怖感を呼び起こす効果も期待できます。

シリーズの展開としては、2012年に第1作がリリースされて以降、継続的に新作が制作・発表され、少なくとも2013年、2014年にも新作がリリースされました。具体的な各巻のタイトルや作品数は多岐にわたりますが、いずれの作品も、投稿されたとされる心霊映像や怪奇現象に関する証言、あるいは都市伝説的な恐怖体験などを基に構成されています。数年にわたりシリーズが継続したという事実は、当時のオリジナルビデオ市場において、本シリーズが一定の需要と評価を得ていたことを示唆しています。

総じて、『絶対に怖い』シリーズは、『ほんとにあった！呪いのビデオ』という影響力の大きい先行シリーズの元スタッフによって手掛けられたことで、その制作姿勢や恐怖へのアプローチに共通点が見られる一方で、ドキュメンタリーとドラマを融合させる独自のスタイルを追求した作品群と言えます。日本のホラーオリジナルビデオの歴史において、リアリティを基調とした恐怖表現の一翼を担ったシリーズとして位置づけられるでしょう。

関連性の深い作品群としては、以下のようなタイトルが挙げられます。これらの作品群もまた、同様に心霊現象や怪奇現象を扱ったドキュメンタリータッチのホラー作品として知られています。

ほんとにあった!呪いのビデオ
ほんとにあった!呪いの動画
ほんとうに映った!監死カメラ
怪奇!アンビリーバブル
* ほんとうにあった怖い話

本シリーズに関する公式な情報源は、時間の経過によりアクセスが困難になっている場合もありますが、販売元であった株式会社ジョリー・ロジャーのアーカイブされたウェブサイトなどが、当時の情報の一端を知る手がかりとなることがあります。

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