継続教育 (イギリス・アイルランド)

継続教育（Further Education）について

継続教育は、イギリスやアイルランド共和国において、主に若者、失業者、在職者を対象とした教育制度であり、職業資格の取得や専門的なスキルの向上を目的としています。この制度は、義務教育を終えた後の段階で提供される教育プログラムですが、高等教育（HE）とは明確に区別されており、職業教育の一環として位置づけられています。

継続教育の流れ

イギリスにおいては、16歳で中等教育を終了すると、進路は大きく2つに分かれます。一つはさらなる高等教育への進学で、もう一つは継続教育に進むことです。継続教育を通じて得られる資格には様々なものがあり、例えば全国職業資格（NVQ）や高等国家ディプロマ（HND）、Foundation Degreeなどがあります。

これらの資格は、特定の職業に就くために必要な知識とスキルを提供し、また大学への編入資格としても機能します。学習の場は主にFEカレッジですが、成人向け教育機関や地域教育センターでの学習も選択肢としてあります。

各地域の継続教育

イギリス全土には467の継続教育カレッジがあり、これらは地域によって異なった特色を持っています。例えば、イングランドにおいては学習技能委員会（LSC）が2001年から2010年までの間、継続教育を管轄し、学生の職業教育における在籍率や成績の向上に努めていました。

また、イングランドでは381のカレッジがFEセクターとして位置づけられています。例えば、シックス・フォーム・カレッジや専門教育カレッジなどがあり、それぞれが特定の教育ニーズに応じたプログラムを提供しています。

教員と教育の質

継続教育の質を向上させるための取り組みも行われています。教員にはQualified Teacher Learning and Skills（QTLS）という資格が求められ、教育方法や実務スキルの向上が重視されています。さらに、教育機関に対する定期的な査察も行われており、教育の質を保証するための仕組みが整えられています。

北アイルランド、スコットランド、ウェールズ

北アイルランドでは、雇用・学習省が継続教育の提供を担い、6つのカレッジが複数のキャンパスを展開しています。スコットランドには約46校の継続教育カレッジがあり、職業教育と資格取得に重点を置いた教育が行われています。ウェールズにおいては、シックス・フォーム・カレッジやFEカレッジが教育を提供しており、ウェールズ政府がその管轄を担っています。

アイルランド共和国とオーストラリア

アイルランド共和国にも継続教育カレッジが存在し、教育の質を向上させるための取り組みが行われています。またオーストラリアでは、TAFE（Technical and Further Education）という組織が職業教育に特化したプログラムを提供しています。各州政府が直接管理する形で、幅広い教育内容が保証されています。

結論

継続教育は、特に職業教育において重要な役割を果たしており、地域ごとのニーズに応じた柔軟な教育プログラムが展開されています。これにより、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が資格を取得し、職業スキルを向上させる機会を得ることが可能となっています。

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