続・荒野の七人

映画『続・荒野の七人』の詳細

『続・荒野の七人』（ぞく・こうやのしちにん、原題: Return of the Seven）は、1966年にアメリカで制作された西部劇映画で、黒澤明の名作『七人の侍』（1954年）の影響を受けています。本作は前作『荒野の七人』の続編であり、10年ぶりに再集結したガンマンたちの戦いを描いています。

ストーリーの展開

物語は、メキシコのイズトラカン村で開始されます。かつて村人と7人のガンマンが協力して野盗カルベラ一味を打ち倒した激闘から10年が経過し、村は再び恐怖にさらされることになります。ロルカという男が率いる一団が村を襲撃し、村の男たちをさらっていくという事件が頻発します。

この混乱の中でチコという名の元ガンマンは、村に残り妻ペトラと共に静かな生活を送っていました。しかし、夫が連れ去られる事態に直面したペトラは、かつて彼らを助けたガンマンのリーダークリスを訪ね、村人たちの救出を依頼します。

ペトラの依頼を受けたクリスは、前作での仲間であるヴィンと共に新たな仲間を集め、イズトラカン村の人々を救うために立ち上がります。彼らは砂漠を越えて連れ去られたチコと再会しますが、チコはロルカの命令で強制労働に従事させられています。

銃撃戦と仲間の絆

クリスはロルカ一味との戦いに備え、村での防衛を固めます。ロルカ一味が村を襲撃するも、村人たちはクリスの指導のもと立ち上がり、激しい銃撃戦が繰り広げられます。村人たちの勇気ある行動により、彼らは互いに絆を深め、クリスたちはさらなる戦いに赴く決意を固めます。

夜に行われる偵察を通じて、クリスは増援が到着するという情報を受け取り、急いで決着をつけるための奇襲を計画します。しかし、増援の到着は想定外でした。驚くべきことに、怯えたままだった村人たちが立ち上がり、クリスと共に戦う姿勢を見せます。

最終決戦では、クリスが仲間のフランクの命を犠牲にしながらロルカを打ち倒し、残った敵は撤退します。これにより村は解放され、チコは他の村人たちと共に新しい村を築く決意をします。

登場人物とその背景

本作の見どころは、個性豊かなキャラクターたちが織り成すドラマです。リーダーのクリスを演じるユル・ブリンナーは、冷静な判断力と強い意志を持ったキャラクターとして描かれています。彼は無報酬で仲間を集め、友情のために戦う姿勢が印象的です。

ヴィンはクリスの親友として良き理解者であり、時には否定的な意見を持ちながらもクリスを支えます。チコは農民としての生活を選びますが、夫を救うために再び戦うことを決意します。

また、さまざまな背景を持つ仲間たちが集まり、例えばトラウマを抱えるフランクや、贖罪を求めるルイスが登場します。彼らの成長や変化も作品の大きなテーマです。

評価と影響

映画は興行的には前作の半分程度の収入を記録しましたが、長年にわたり多くの西部劇に影響を与えました。また、続編として『新・荒野の七人 馬上の決闘』や『荒野の七人・真昼の決闘』も制作され、類いまれな西部劇シリーズとして名を馳せています。

『続・荒野の七人』は、友情や勇気、そして自由を求める心を描いた作品であり、時を経ても多くの人々に愛され続けている名作です。

もう一度検索