綾戸バイパス

綾戸バイパス（群馬県）

綾戸バイパスは、群馬県渋川市上白井を起点とし、沼田市岩本町を終点とする、計画中の国道17号バイパス道路です。現在の国道17号線は利根川沿いの急峻な地形を通っており、落石の危険やカーブによる事故が多発していました。そのため、より安全で円滑な交通を確保する目的で、バイパスが計画されました。

計画概要

起点: 群馬県渋川市上白井
終点: 群馬県沼田市岩本町
全長: 2.3 km
規格: 第3種2級
道路幅員:
一般部: 25.0 m
トンネル部: 21.5 m
橋梁部: 22.5 m
車線数: 4車線
車線幅員: 3.5 m
設計速度: 60 km/h

歴史

綾戸バイパスの計画地周辺は、古くから交通の要所でした。以下に、綾戸渓谷沿いの道路の歴史を記します。

江戸時代: 弘化3年（1846年）には、金剛院の住職によって手掘りの隧道「穴道」が作られました。この隧道は、幅2.4 m、高さ2.4 mと、人が通れる程度の大きさでした。
明治時代: 明治時代になると、清水新道工事によって新たなルートが開かれましたが、その後再び穴道を通る道が整備され、穴道の山側に綾戸隧道が完成しました。1901年（明治34年）には、綾桜隧道と綾桜橋が開通しました。
昭和時代: 1961年（昭和36年）には、沼田ダム建設などの将来構想に対応するため、綾戸・綾桜道路1,320 mの拡幅工事が計画されました。工事は難航し、綾戸隧道拡幅の際には崩落事故も発生しましたが、1964年（昭和39年）に舗装工事が完了しました。
平成時代: 1992年（平成4年）には、綾戸地区の落石対策、線形不良の解消、視距確保のために、綾戸バイパスが事業化されました。

現在の状況

[2009年]3月、事業執行の当面見合わせが決定されましたが、2009年7月下旬に事業の再開が決定されました。
2024年（令和6年）時点では、調査設計、用地買収、改良工事、橋梁下部工事などが進められています。現道については、綾戸防災対策事業として落石対策や監視システムが導入されています。

今後の展望

綾戸バイパスの完成により、国道17号の交通安全性が向上し、地域間の連携が強化されることが期待されます。早期の開通が望まれます。

関連項目

関東地方の道路一覧
佐久発電所 - 綾戸ダムより発電用水を取水
テングランド - かつて存在したドライブイン

外部リンク

国土交通省関東地方整備局高崎河川国道事務所 綾戸バイパス
一般国道17号　綾戸バイパス (PDF) （平成28年度　第5回　関東地方整備局 事業評価監視委員会）

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