綾部市歌

綾部市歌（あやべしか）

綾部市歌は、京都府綾部市が正式に制定した市歌であり、作詞は渋谷計二、作曲は須藤五郎によって作られました。この市歌は、市民の要望や市制施行五周年を祝い、昭和30年（1955年）に制定されたとされています。ただし、制定の動機に関する具体的な資料は現存していないため詳細は不明です。

歌詞は、懸賞募集を通じて集められたもので、58篇の応募作から選ばれました。特に、選考を担当したのは、戦後に綴喜郡八幡町に移り住んだ歌人の吉井勇だったとされています。この中から、府立高校の教諭でもある渋谷計二の作品が見事選ばれ、綾部市の豊かな自然や歴史、特徴を表現することが目的として掲げられました。市歌には地域の魅力が丁寧に盛り込まれています。

初演奏は、1957年1月10日、綾部市役所本庁舎の竣工式にあたる日に行われました。以降、綾部市歌は地域の多くの行事や式典で歌われ、市民に親しまれています。1976年には、綾部市の市制25周年を記念して新たな市民歌「明日へのために」が採用された際、ビクターレコードから「綾部市歌」をA面、そして新しい市民歌をB面に収めたシングル盤も製造されました。これは、地域の音楽文化を活性化させる一助となりました。

綾部市では、市歌が演奏される機会として、市制施行の周年式典や市民平和祈願のつどいなどが設けられているほか、市内のコミュニティ放送FMいかるでも毎日演奏されています。また、2023年には、新型コロナウイルスの影響で行事が中止されたことから、市民の有志によって市歌の新録音が行われ、さらに多くの市民の心に響く機会が創出されました。これにより、綾部市歌は過去の伝統とともに、現代の市民生活にもしっかりと根付いています。

綾部市に関連する楽曲

綾部市には、市歌以外にも地域に根ざしたいくつかの曲があります。

綾部音頭

伝統的な楽曲として知られる「綾部音頭」は、長きにわたり歌い継がれているものの、その歌詞には問題視される表現もありました。それを受けて、初代市長の長岡誠が作詞し、音頭が市民の歌として採用されることになりました。この歌は、高橋半によって作曲され、牧徳次郎の歌声でレコード化されています。

明日へのために

1976年に市制25周年を記念して制定された「明日へのために」は、市民の歌として長年親しまれています。作詞は堀好枝、作曲は大槻紀子で、多くの市民に愛される曲です。

ふるさとはあやべ

2000年に市制50周年を祝うために選ばれた「ふるさとはあやべ」は、市民愛唱歌として特に有名です。作詞は小橋美絵、補作は麻生圭子、作曲は三枝成彰です。

綾部市歌を通じて、地域の文化や歴史が市民の生活に息づいていることが感じられ、その意義が再確認されています。今後もこの歌が市民に愛され続けることを願っています。

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