綾部美知枝

綾部美知枝（あやべ みちえ）

綾部美知枝氏は、1948年生まれの日本の教育者であり、サッカー指導者としても広く認識されています。彼女は日本体育大学女子短期大学部を卒業し、静岡県清水市出身です。特に、日本サッカー協会の特任理事としての経験や、清水市における文化スポーツ部の参与としての役割から、地域のスポーツ振興に大きく貢献してきました。綾部氏は日本初の女性サッカー指導者の一人とされ、サッカー界においても多くの若者の育成に携わってきました。

経歴のハイライト

綾部氏のサッカーとの関わりは、清水市立江尻小学校に在学中、当時の恩師である堀田哲爾から指導を受けたことに始まります。彼女は当初はサッカーに深く関わることはありませんでしたが、大学での創作ダンスに注力しながら、1969年に清水市立飯田小学校に赴任した際に生徒からの影響を受けてサッカーを始めることになります。彼女はすぐに「飯田ファイターズ」というチームを結成し、地域の若者たちにサッカーを教えるようになりました。その後、堀田の指導法を学びながら、彼女は教育専門家としての道を確立していきました。

1971年、綾部氏は静岡県主催のコーチングスクールに参加し、女性として初めての経験となります。この機会を通じて、彼女はオール清水（現・清水FC）の監督に就任し、風間八宏や大木武などの選手を指導しました。1973年には、全国サッカー大会に出場し準優勝を果たすなど、その指導力は徐々に認められるようになりました。

1977年には清水FCの監督に就任し、長谷川健太や大榎克己らとともにチームを率い、全日本少年サッカー大会での優勝を果たします。彼女は少年サッカーの指導サポートだけでなく、地域のサッカー団体にも積極的に関わり、清水FCママチームの指導員としても活躍しています。

地域貢献と指導

1994年には清水市教育委員会に異動し、サッカー推進のための担当に就任します。1995年からはサッカーのまち推進室を率い、清水ナショナルトレーニングセンターの構想を実現させることに貢献しました。2003年に静岡市との合併が行われた後も、サッカーのまち推進室長としての役割を果たしました。これらの活動を通じて、地域のサッカーの振興に寄与しています。

日本サッカー協会（JFA）でも活躍し、特任理事や理事を歴任。現在では名誉役員として支援を続けつつ、静岡県サッカー協会の評議員なども務めています。多くの若者に対する情熱的な指導は、サッカー界での綾部氏の存在感を際立たせています。

受賞歴

綾部氏はその功績が評価され、数々の賞を受賞しています。1994年にはエイボン女性年度賞のスポーツ賞を受賞し、1998年には朝日スポーツ賞、また2009年と2014年には静岡市体育協会から功労章を授与されています。2022年には日本サッカー殿堂入りし、2023年には女子プロサッカーにおけるスポーツ功労者賞を受賞しました。これらの受賞歴は、彼女の教育者としての非凡な影響力とサッカー界への貢献を証明しています。

著作

彼女は著書『日本サッカーがワールドカップで勝つ日』を共著しています。この書籍は、日本のサッカーの未来について考察されており、若い世代へのメッセージが込められています。これは彼女の理念やビジョンを示す一つの証とも言えるでしょう。

綾部美知枝氏は、自身のキャリアを通じて日本のサッカーの発展と地域社会への貢献に尽力してきた教育者であり、指導者です。彼女の存在は、多くの選手や指導者にインスピレーションを与え続けています。

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