綿帽子

綿帽子（わたぼうし）とは

綿帽子は、日本の伝統的な婚礼衣装の一つで、花嫁が白無垢を着用する際に、文金高島田という特別な髪型の上から被る、白い袋状の被り物です。もともとは真綿を加工して作られた防寒具でしたが、時代とともに婚礼衣装として定着しました。別名として、置き綿、被き綿、額綿などとも呼ばれます。

角隠しと似た役割を持ちますが、角隠しが色打掛にも用いられるのに対し、綿帽子は白無垢を着る時のみに着用されます。一般的に、綿帽子は挙式でのみ着用され、披露宴では外されることが多いです。

綿帽子の歴史

綿帽子の起源は、鎌倉時代以前に遡ります。当時、高貴な身分の女性が外出する際、頭から体を覆う「被衣（かづき）」という衣を着用していました。これは、埃除けや防寒を目的としたものでした。室町時代になると、小袖の襟を前に下げて被るスタイルが生まれました。

江戸時代になると、被衣に代わって真綿で作られた帽子が若い女性の間で流行し、様々な形が作られました。しかし、18世紀半ば以降は、儀礼用としてのみ用いられるようになりました。現代の綿帽子は、袷仕立ての白絹の布で作られています。

綿帽子の比喩表現

綿帽子は、その形状から比喩表現としても用いられます。

山の頂上付近や樹木の頭頂部に雪が積もった状態を、花嫁が綿帽子を被っている様子に見立てて「綿帽子を被る」と表現することがあります。
ゼンマイの新芽の表面に綿毛が被さっている状態も、「綿帽子を被る」と表現することがあります。
タンポポの綿毛が目立つ状態も、「綿帽子」と表現することがあります。

これらの比喩表現は、綿帽子の持つ特徴的な形状や質感が、自然界の様々なものと共通していることを示しています。

関連情報

綿帽子に関連する情報として、以下のものがあります。

結婚式：綿帽子は、日本の結婚式において重要な役割を担う衣装です。
角隠し：綿帽子と同様に、花嫁が頭に被る衣装です。
文金高島田：綿帽子を被る際に結う、特別な日本髪の髪型です。
日本髪：日本の伝統的な髪型です。
スノーキャップ：雪が積もった様子を、綿帽子に見立てることがあります。（曖昧さ回避）

綿帽子は、日本の伝統文化を象徴する美しい衣装であり、その歴史や文化的な背景を知ることは、日本の伝統を理解する上で重要です。

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