綿貫民輔

綿貫民輔の生涯と業績

綿貫民輔（わたぬき たみすけ、1927年4月30日生まれ）は、日本の著名な実業家であり、政治家としても多くの役職を歴任してきました。また、日本バドミントン協会の名誉会長でもあります。彼の政治経歴は多岐にわたりますが、特に衆議院議長（第70代）や建設大臣（第55代）、国土庁長官など、多数の重要な役職を担ってきたことが特筆されます。

生い立ちと早期のキャリア

富山県の井波町で生まれた綿貫は、神職の家系に生まれ育ちました。故郷である井波八幡宮の宮司としての家業に従事しつつ、旧制砺波中学校を卒業後、藤原工業大学予科に進学しました。しかし、大学の合併や戦災の影響を受け、慶應義塾大学経済学部に転校し、無事に卒業を果たしました。卒業後は鐘淵紡績（現在のカネボウ）に入社し、その後、経営の手腕を発揮するため、砺波運輸（現トナミ運輸）の代表取締役に就任。経営の危機を乗り越え、同社を上場企業に成長させました。

政界入りと衆議院での活躍

1955年に政治の世界に足を踏み入れたものの、初選挙では落選。しかし、1959年には富山県議会議員選挙にて初当選を果たし、その後2期にわたり勤務しました。1969年には衆議院議員総選挙に出馬し、見事当選を果たしました。その後、綿貫は13期連続で当選を重ね、衆議院内での影響力を増していきます。

彼は自由民主党内で多くの派閥を渡り歩きながら、特に1986年に衆議院議院運営委員長に就任し、1989年から1991年には幹事長として重要な地位にありました。さらに、1990年には建設大臣に任命されましたが、この時期には派閥間の複雑な駆け引きもあったことが伺えます。

自民党離党と国民新党の設立

小泉純一郎首相が郵政民営化を進める中、綿貫は強硬に反対し、結果的に自民党を離党しました。2005年には国民新党を結成し、その初代代表に就任しました。この新たなスタートは、彼にとって新たな挑戦の始まりでしたが、国民新党としての活動は決して平坦な道ではありませんでした。

政界引退後の活動

綿貫は政治活動を続ける一方で、様々な業界団体や議員連盟でも影響力を持ち続けました。2010年には桐花大綬章を授与され、2011年には南砺市の名誉市民に選ばれました。2016年には自民党に復党し、再び政界に関与する機会を得ました。

思想と人柄

彼は、江戸時代の農政家、二宮尊徳が提唱した報徳思想に影響を受け、地域貢献や公益に力を入れてきました。また、彼の信条として「言うべきことは言うべきである」という言葉があり、これを実践してきた姿勢が評価されています。政治家としては、経済政策や地域振興に加え、禁煙推進の立場でも知られています。

結論

綿貫民輔の政治家としてのキャリアは、数十年にわたり、地域と国に多大な影響を与え続けてきました。彼の人生は、実業家から議員、そして大臣を経て新たな政党のリーダーとしての挑戦を表しています。そして、これからの世代に対しても、報徳思想を通じた地域貢献の重要性を伝え続けているのです。

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