綿貫譲治

綿貫 譲治 — 日本の政治学者・社会学者

概要

綿貫 譲治（わたぬき じょうじ、1931年1月26日 - 2015年7月3日）は、日本における著名な政治学者および社会学者であり、上智大学の名誉教授として知られています。彼は主に政治社会学、比較社会学、国際関係論を専門としており、特に投票行動に関する実証的研究の領域で評価されています。

生い立ちと経歴

綿貫はカリフォルニア州に生まれ、1948年に東京都立第一高等学校を卒業。その後、1953年に東京大学文学部社会学科を卒業し、大学院に進学しましたが、1955年に中途退学しました。彼は、東京大学で助手、専任講師、助教授として教育と研究に従事し、1971年には上智大学外国語学部の教授に就任しました。1999年から2006年まで創価大学文学部社会学科の教授も務めました。

教職に加え、綿貫は学外でも活躍し、1982年から1986年まで国際社会学会の副会長を務め、また1992年から1994年まで日本社会学会の会長としても知られています。

研究と業績

綿貫は、行動論的アプローチを用いて投票行動の分析に取り組み、その成果は日本の社会学界において高く評価されています。特に「日本人の選挙行動」や「変動する日本人の選挙行動」に関する研究は、彼の代表的な業績の一つです。また、政治と社会に関する彼の考察は、現代の社会変動や国際関係の理解にも重要な貢献をしています。

主な著作

綿貫の著作は多岐にわたり、単著、共著、編著、訳書など様々な形態で発表されています。彼の著作には次のようなものがあります：

• - 単著:

- 『現代政治と社会変動』（東京大学出版会, 1962年）
- 『日本の政治社会』（東京大学出版会, 1967年）
- 『日本政治の分析視角』（中央公論社, 1976年）

• - 共著:

- 『日本人の選挙行動』（東京大学出版会, 1986年）
- 『変動する日本人の選挙行動』（木鐸社, 1997年）

• - 編著:

- 『現代社会と人間』（研究社出版, 1972年）
- 『社会学講座（7）政治社会学』（東京大学出版会, 1973年）

• - 訳書:

- エドウィン・セリグマン『社会思想史（上・下）』（角川書店, 1957年）
- チャールズ・ライト・ミルズ『パワー・エリート（上・下）』（東京大学出版会, 1958年）

これらの著作を通じて、綿貫は政治学と社会学の分野において多くの影響を与えました。彼の研究は、現代社会の動向や人々の行動を理解する上で、重要な理論的基盤を提供しています。

まとめ

綿貫譲治は、数十年にわたって日本の政治社会学を牽引し、数多くの業績を残しました。彼の研究は、政治と社会の相互作用を理解するための重要な視点を提供しており、後進の研究者へも多大な影響を与え続けています。2015年に逝去しましたが、その業績は今後も色褪せることなく語り継がれることでしょう。

もう一度検索