総主教代行

総主教代行とは

総主教代行（そうしゅきょうだいこう、ロシア語: Патриарший местоблюститель, 英語: locum tenens）は、正教会における重要な役職の一つです。総主教が病気や永眠などによって不在、あるいは職務を遂行できない状態になった際に、その職務を代行する主教がこの役職に就きます。

職務と役割

総主教代行は、総主教が不在の間、教会の運営における最高責任者としての役割を担います。具体的には、以下のような職務を遂行します。

教会の意思決定
聖職者の任命と管理
対外的な交渉と代表
教会の財産管理
教義の維持と解釈

総主教代行は、総主教が復帰するまでの間、あるいは新たな総主教が選出されるまでの間、これらの職務を遂行し、教会の安定と継続性を保つ役割を果たします。

用語について

英語の "locum tenens" は、正教会に限定された用語ではありません。ラテン語に由来するこの語彙は、他に "locum doctor" などの用例があることにもみられるように、特定の役割を果たす者が不在の場合にその職務を代行する者に付与される職名として広く用いられます。

本項では "Патриарший местоблюститель" に総主教代行との訳語を採用していますが、総主教代理と訳されることもあります。ただし、「総主教代理」は、エクザルフ（ギリシア語: ἔξαρχος, ロシア語: Экзарх, ブルガリア語・ウクライナ語: Екзарх, 英語: exarch）と呼ばれる、独自の教区を持つ主教を指す訳語としても使われるため、注意が必要です。

関連事項

総主教代行に関連する事項として、以下のものが挙げられます。

神品 (正教会の聖職)：正教会の聖職位階。
教衆：正教会の信徒。
カメルレンゴ：カトリック教会における同様の職務。

まとめ

総主教代行は、正教会において総主教が不在の場合に、その職務を代行する重要な役割を担う主教の役職です。教会の安定と継続性を保つために不可欠な存在であり、その職務は多岐にわたります。

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