総務会

総務会（そうむかい）の概要

総務会は、日本の保守的な政党において、党の運営や活動方針を議論するための重要な機関です。これに類似する存在として革新政党には中央委員会などがあります。総務会は、明治時代より日本の保守的・自由主義的な政党に設けられており、やがて戦時中にも院内会派として存在していました。通常、メンバーは代議士クラスであり、党内での地位が高いことが特徴です。

総務会の長は通常、総務委員または総務会長と呼ばれ、党首が不在の際にはこの総務会長が党首の役割を果たすこともあります。特に自由民主党（自民党）では、党内の対立を国会で顕在化させないために、内閣が法案を国会に提出する前にこの総務会の承認を受ける「事前審査制」が1962年に確立されました。この制度により、総務会長は幹事長に次ぐ重要な役職とされることが多いですが、時間が経つにつれ幹事長や政務調査会長の権限が強化され、総務会の役割は相対的に低下してきています

また、総務会は慣例的に全会一致での決議を重視しており、これには党内での根回しを行う経験豊富なメンバーが多く在籍しています。これにより、重要な決定が円滑に進むことが期待されています。

近年の動向

民主党は1999年に次の内閣の設置にともない総務会を廃止しました。しかし、2018年にはこの流れを受け継ぐ形で国民民主党が全く新しい総務会を設置しました。これは、かつての民主党や民進党で見られた「決められない党」という批判に応えるため、自民党型の政策決定システムを模倣し、党内での意見集約を図る意図がありました。

一方、日本維新の会の総務会は、他の政党とは異なる機能を持ち、党の運営や広報活動、交流などを担当する部署として設けられています。このように、各政党の総務会にはそれぞれ特色があります。

主要政党の総務会長

2023年9月29日時点での自由民主党の総務会長は森山裕氏で、いくつかの代行役や代理も設定されています。日本維新の会では柳ヶ瀬裕文氏が総務会長を務めています。また、都民ファーストの会、幸福実現党など他の党でもそれぞれの総務会長が活動をしています。

歴史的背景

総務会は、過去に多くの政党や院内会派に設置されていました。例として進歩党、憲政党、立憲政友会、民主党など、時代を経て多様な政党が総務会を通じて運営してきました。これらの多くは、党の方針や戦略を決定するための重要な機関として機能しましたが、時代の変化とともにその形態や役割は変化してきました。現在もなお、総務会は政治活動において重要な存在であり続けています。

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