総合科学研究科

総合科学研究科とは

総合科学研究科は、日本の大学院に設置されている研究科の一つです。従来の学問分野にとらわれず、より広範な視点から複合的な課題に取り組むことを目的としています。そのため、理学、工学、人文科学、社会科学といった様々な分野の研究者が集まり、学際的な研究活動を展開することが特徴です。

設置大学

現在、総合科学研究科が設置されている大学は以下の通りです。

岩手大学（2017年4月～）

過去に設置されていた大学

過去には以下の大学にも総合科学研究科が設置されていましたが、組織改編などにより廃止または改組されました。

日本大学大学院総合科学研究科（2015年3月31日をもって廃止）
広島大学大学院総合科学研究科（2020年4月入学以降の新規学生募集を停止）

総合科学研究科の改組と新研究科の設立

近年、総合科学研究科は、その一部を母体として、他の研究科と統合・再編される形で、新しい研究科が設立される傾向にあります。以下にその主な例を挙げます。

医系科学研究科: 2018年4月、広島大学では、総合科学研究科の一部、医歯薬保健学研究科、医歯薬保健学研究院等を統合し、医系科学研究科が新設されました。
統合生命科学研究科: 同じく2018年4月、広島大学では、総合科学研究科の一部等を統合し、統合生命科学研究科が新設されました。
先進理工系科学研究科: 2019年4月には、広島大学において、総合科学研究科の一部、理学研究科、先端物質科学研究科、工学研究科、国際協力研究科の一部等を統合し、先進理工系科学研究科が新設されました。これにより、理学、工学分野の連携が強化されています。
人間社会科学研究科: 同じく2019年4月、広島大学では、総合科学研究科の一部、文学研究科、教育学研究科、社会科学研究科、国際協力研究科の一部、法務研究科等を統合し、人間社会科学研究科が新設されました。これにより、人文社会科学分野における学際的な連携が促進されています。

関連研究科

総合科学研究科と関連が深い研究科として、以下のものが挙げられます。

東京大学大学院新領域創成科学研究科：学際的な研究を推進する点で、総合科学研究科と共通する性質を持っています。
総合文化研究科：人文科学、社会科学、自然科学を包括する研究科であり、総合科学研究科と共通する学際的なアプローチを持っています。
総合理工学研究科：理学と工学を融合した研究を行う点で、総合科学研究科と関連があります。
* 研究科の一覧：より多くの研究科を網羅的に知りたい場合に参照できます。

まとめ

総合科学研究科は、学問分野の枠を超えて、複合的な問題に取り組むことを目指す研究科です。近年では、その一部が他の研究科と統合され、新たな研究科が設立される動きが見られます。これらの改組は、研究分野の連携を強化し、より複雑な課題に対応するためのものです。

総合科学研究科は、特定の専門分野に特化せず、幅広い知識と視点を養いたい学生にとって魅力的な選択肢となるでしょう。また、既存の研究分野にとらわれない、新たな学問領域を切り開きたい研究者にとっても、有益な環境であると言えます。

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