総同盟

総同盟（そうどうめい）とは

総同盟は、かつて日本に存在した労働組合の全国組織、ナショナルセンターの略称です。具体的には、以下の二つの組織を指します。

1. 日本労働総同盟（1921年 - 1940年）
2. 日本労働組合総同盟（1946年 - 1964年）

これらの組織は、日本の労働運動史において重要な役割を果たしました。以下にそれぞれの組織について詳しく解説します。

1. 日本労働総同盟（1921年 - 1940年）

日本労働総同盟は、1921年に結成された日本初の全国的な労働組合組織です。第一次世界大戦後の社会不安の高まりと労働運動の高揚を背景に、それまで個別に行われていた労働運動を統一し、労働者の権利向上を目指しました。

結成当初は、友愛会を母体としており、労働者の地位向上を目的とする穏健な社会改良主義的な路線を採っていました。しかし、次第に社会主義的な思想の影響を受けるようになり、労働者の権利獲得に向けた闘争を重視するようになりました。

1920年代後半から1930年代にかけて、労働争議やストライキを積極的に展開しましたが、当時の政府による弾圧や、内部における路線の対立などにより組織は徐々に弱体化していきました。特に満州事変以降の戦時体制下では、政府からの圧力が強まり、1940年に解散を余儀なくされました。解散までの約20年間、日本の労働運動の基礎を築いた組織として、その歴史的意義は大きいと言えるでしょう。

2. 日本労働組合総同盟（1946年 - 1964年）

第二次世界大戦後の1946年、日本労働組合総同盟（略称：総同盟）は、戦後の民主化の動きの中で、労働者の権利回復と生活向上のために結成されました。戦前の労働運動の経験を踏まえ、より強固な組織化と運動を目指しました。

結成当初は、GHQ（連合国軍最高司令官総司令部）の支援も受け、労働組合の組織化が進みました。その中で、総同盟は中心的な役割を果たし、労働者の権利を主張しました。

しかし、1950年代に入ると、冷戦の影響を受け、総同盟内部で路線の対立が深刻化しました。特に、全日本産業別労働組合会議（産別会議）との間で、運動方針や政治的な立場をめぐって激しい対立が起こりました。その後、総同盟は右派と左派に分裂し、組織の弱体化を招きました。

1964年、総同盟は解散し、その活動は他の労働組合組織に引き継がれました。解散に至るまで、戦後の労働運動の発展に大きな貢献を果たしたと言えるでしょう。総同盟の分裂と解散は、戦後の労働運動の課題と複雑さを浮き彫りにする出来事であり、その教訓は現代にも受け継がれています。

まとめ

総同盟は、日本の労働運動史において、重要な役割を果たした二つの組織の略称です。それぞれの組織が、時代の変化に対応しながら、労働者の権利向上を目指して活動しました。これらの組織の歴史を振り返ることは、日本の労働運動の歩みを理解する上で非常に重要です。

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