日本労働組合総同盟

日本労働組合総同盟の概要

日本労働組合総同盟（にほんろうどうくみあいそうどうめい、略称：総同盟）は、1946年に設立された日本の労働組合のナショナルセンターである。戦後の労働運動の復活とともに旧総同盟系の組織を基盤として結成され、その中心となったのは松岡駒吉が会長を務めるゼンセン同盟であった。総同盟は約86万人の組合員を抱え、当初は日本社会党を支持する姿勢があった。

前史

戦前の日本では、鈴木文治が明治時代末期に設立した友愛会を母体に、日本労働総同盟が中心となって労働運動が推進されていた。友愛会はキリスト教社会主義者によって運営され、共産主義には批判的であったが、社会大衆党に近い政治的立場を持っていた。戦時中は、全労を始めとする労働組合が新体制運動に賛同し、戦争協力の体制に組み込まれていった。

戦後の再結成

第二次世界大戦が終結を迎えた1945年、労働運動は復活し、その結果として1946年に日本労働組合総同盟が設立された。総同盟は、戦前の日本労働総同盟の後継組織として、社会党寄りの立場を堅持する一方で、日本共産党が影響力を持つ全日本産業別労働組合会議（産別会議）とは対立する姿勢をとった。1947年の二・一ゼネスト後、総同盟は産別会議と共に全国労働組合連絡協議会（全労連）を組織したが、GHQが反共産主義を強める中で1948年に全労連を脱退してしまった。

発展的解消と政策

1950年になると、GHQの主導で日本労働組合総評議会（総評）を結成しようとする動きが現れ、この過程で内部の対立が顕在化した。結果として、総同盟の左派が多く総評に合流する一方で、右派は再建を目指す大会を開催し、総同盟の右派色を強化した。1954年には全日本労働組合会議（全労会議）が設立され、1974年には全日本労働総同盟（同盟）へと統合される経緯を辿ることになった。

総同盟は結成当初、経営側に対して強気な立場をとっており、1949年には強硬な反共政策を打ち出した。しかし、その一方で1955年には生産性運動について労働条件の向上に寄与するものであるとし、経営側との調和も模索したことから、流動的な政策運営が見られた。

加盟単産と歴代会長

1948年の時点での加盟単産には、全国繊維産業労働組合同盟や全国金属産業労働組合同盟、全国食品産業労働組合などが存在し、彼らがそれぞれの産業における労働者の権益を守るために活動していた。

総同盟の歴代会長には、松岡駒吉（1946年～1952年）、金正米吉（1952年～1959年）、基政七（1959年～1964年）が名を連ねており、彼らのリーダーシップのもとで組織の発展が図られた。総同盟は1946年から1964年にかけての厳しい労働環境の中で、労働者の権利拡大に向けた取り組みを続けていた。

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