総持寺 (知立市)

総持寺（そうじじ）

愛知県知立市西町新川48に所在する総持寺は、天台寺門宗に属する寺院です。この寺の本尊である流汗不動明王は、古くから信仰の対象として多くの人々に崇敬されています。知立神社の別当寺でもあり、三河新四国八十八ヶ所霊場の第1番札所としても知られています。また、その旧称は玉泉坊です。毎月、旧暦の20日と21日には遠方からの参拝者がバスで訪れ、多くの信者がその御利益を求めて参拝を行っています。

歴史

創建

寺の創建に関する伝承によれば、嘉祥3年（850年）に池鯉鮒大明神の神宮寺としてスタートしたとのことですが、中世の戦乱によってこの寺は荒廃を余儀なくされました。

近世

元和2年（1616年）、池鯉鮒大明神の神主である永見貞久が刈谷城の城主、水野忠清に対して神宮寺の創建を提案し、その結果、玉泉坊が設立されました。承応2年（1653年）には、玉泉坊が総持寺に改称され、以後は一般に上寺と呼ばれるようになりました。

近代・現代

1872年（明治5年）には神仏分離令が施行され、総持寺の住職である神山亮円が知立神社の神官となったため、寺は無住の状態に陥り、廃寺となりました。しかし、地域の人々からの再興を望む声が高まり、1927年（昭和2年）に知立神社の西側に再興が果たされました。1963年（昭和38年）、中村鍵寿が天台寺門宗の管長に就任しましたが、1965年（昭和40年）には任期途中で急逝しました。彼は1896年（明治29年）に生まれ、早稲田大学を卒業後、総持寺の住職や宗務部長を務めた重要な人物でした。そして1978年（昭和53年）には本堂が再建されました。

境内の施設

境内には様々な堂が存在しています。主な建物には以下のようなものがあります。

• - 本堂
• - 開山堂
• - 愛染堂
• - 地蔵堂
• - 観音堂
• - 山門（竜宮門）
• - 裏門（唐門）

また、注目すべき彫像や石碑も存在します。例えば、白寿観音や留翠微笑観音、弘法大師像のほか、徳川家康の側室である於万の方に関する石碑などがあります。この石碑は、於万の方が池鯉鮒大明神の神官の娘として生まれたことを伝えています。

総持寺跡大イチョウ

1965年（昭和40年）には、旧寺地にある「総持寺跡大イチョウ」が知立町により天然記念物に指定されました。このイチョウは高さ12メートル、目通り3.57メートル、樹齢は約200年に達するとされ、地域のシンボルとして親しまれています。

札所としての役割

総持寺は三河新四国八十八ヶ所霊場の第1番札所であり、毎月旧暦21日には弘法大師の命日に、名鉄名古屋本線一ツ木駅からの巡拝が行われることが多いです。信徒たちは、総持寺を含むいくつかの寺院を巡って信仰を深めています。

現地情報

訪れる際の交通アクセスとしては、名鉄名古屋本線・三河線の知立駅から徒歩約11分の距離に位置しています。アクセスも良好で、多くの信者や観光客が足を運ぶ場所となっています。

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