緒方龍一

緒方龍一：多才なアーティストの軌跡

緒方龍一は、1985年北海道札幌市生まれの歌手、ダンサーである。ダンス＆ボーカルユニットw-inds.の元メンバーとして知られ、幅広い音楽活動で注目を集めるアーティストだ。

彼のキャリアは、姉が応募したCMオーディションがきっかけだった。そこでスカウトされ、千葉涼平と共に特待生としてレッスンを受ける。才能を開花させ、人気ダンス＆ボーカルユニットw-inds.の一員としてデビュー。グループではダンス、コーラス、ラップを担当し、緑をイメージカラーに、ライブでは赤いマイクテープを使用していた。高い歌唱力とキレのあるダンスで、多くのファンを魅了した。

2008年には、ライブリハーサル中の負傷にもかかわらず、痛み止めを服用して公演を完遂するほどのプロ意識の高さをみせた。しかし、2020年、長年にわたる心理社会的ストレスにより心身症と診断され、w-inds.を脱退、同時に所属事務所との契約も終了した。

w-inds.脱退後も、彼の音楽活動は止まらなかった。2013年には、幼馴染や友人と共に3ピースバンドALL CITY STEPPERSを結成。ボーカルとギターを担当し、東京と大阪でツアーを開催するなど、精力的に活動した。2021年には、ソロプロジェクトDravilを始動させ、独自の音楽性を追求し続けている。

緒方龍一の音楽性は多様だ。R＆Bやヒップホップなどのダンスミュージックはもちろんのこと、父親の影響で60年代ロックにも造詣が深く、ビートルズやエリック・クラプトンといったアーティストを敬愛している。日本の音楽家では、坂本龍一や宇多田ヒカルらを高く評価している。

ライブパフォーマンスにおいても、彼は中心的な役割を果たす。自己紹介や曲間のMCなどで場を盛り上げ、観客を惹きつける存在感を持つ。さらに、2004年の『Energy』と2005年の『from I』というオリジナル楽曲をライブで披露してきたが、これらは現在もCD化されていない。

彼の音楽活動はバンド活動にも及ぶ。19歳の頃には、友人の宮奥謙馬がボーカルを務めるバンドRadio Foundationにギタリストとして参加し、アンダーグラウンドシーンで活動した。しかし、2009年に脱退。その後、宮奥謙馬が急逝する悲劇に見舞われた。彼は雑誌で謙馬の死を公表し、w-inds.の10周年記念ライブやALL CITY STEPPERSのライブでRadio Foundationの楽曲を披露し、故人を偲んでいる。

プライベートでは、アウトドアスポーツを趣味とし、登山家との交流もあるなど、幅広い交友関係を持つ。また、ネイティブアメリカンの哲学思想にも影響を受けているという。

緒方龍一の音楽人生は、数々のバンド活動、ソロ活動、そしてグループでの活動と、常に変化と挑戦を繰り返してきた。彼の音楽性、人間性、そして経験が織りなす唯一無二のアーティスト像は、今後も多くの人の心を掴んでいくであろう。

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