織田信古

織田信古の生涯と家族

基本情報

織田信古（おだ のぶもと）は、江戸時代後期の大名であり、丹波国柏原藩の第6代藩主である。彼は通称「義之助」、「豊次郎」、または「織部」と呼ばれ、官位は従五位下・近江守であった。信古は高長系織田家の9代目として知られている。

生い立ち

信古は寛政6年（1794年）7月、江戸にて織田信応の長男として生まれた。信応は3代藩主である信旧の3男で、4代藩主の信憑から分家の養子に入っていたため、信古は正統な後継者とみなされた。彼の初名は長祥であった。信応が亡くなった後、信古は信守の嫡子として位置付けられるが、信守は自らの実子である信貞を後継者にするために信古の退隠を考えた。この事件は「秘命騒動」と呼ばれ、多くの家臣から強い反発を招いた。結果的に、信守は信古を婿養子として迎え、新たな後継者として承認した。

家督相続と騒動

文政9年（1826年）9月1日、信古は第11代将軍・徳川家斉に拝謁する。文政12年（1829年）11月16日には信守の隠居に伴い、藩主の地位を引き継ぐ。12月16日には従五位下・近江守に叙任され、彼の地位は一層強固なものとなった。

その後、天保9年（1838年）1月に、信守の側室である保野の下女であるしまが、信守と保野が柏原で幽閉されようとしていると直訴したことから「保野騒動」が起こった。信守は柏原で隠居中であったが、江戸に移住しようとしており、重臣たちは藩の経済に与える影響を懸念していた。しまは保野が江戸に呼び寄せられることで事態が解決すると思い込んでいたが、誤解がこの騒動を引き起こした。天保10年（1839年）8月16日には、幕府が騒動の発端となった信古に逼塞を命じ、信守にも遠慮を命じるなどの措置を講じた。

さらに、天保11年（1840年）1月17日、幕府は江戸の上屋敷を収公し、三田小山の旧間部邸を新たに与えることになった。これにより藩主としての信古はさらなる試練を受けることとなった。

引退と死去

天保13年（1842年）3月9日、信古は隠居し、養子である信貞に家督を譲る。彼の生涯は1847年6月10日に江戸で幕を閉じ、享年54歳であった。信古はその後、広徳寺に埋葬された。

家族構成

信古の父は織田信応であり、母は不詳である。養父には織田信守がいた。彼の正室は安子で、これは織田信守の長女である。生母不明の子女の中には長女の良性院（鶴姫）が含まれ、彼女は織田信貞の養女であり、織田信敬の正室となる。また、信古には養子として男子の織田信貞が存在した。信古の家族の関係は、歴史の中で織田家の存続と発展に大きな影響を与えた。

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