繰り上げ

繰り上げ：順位や序列の上昇

繰り上げとは、何らかの理由により、下位に位置していたものが上位に昇格することを意味します。これは、順位や序列が定められた状況において、上位者が欠格したり、資格を失ったりした場合などに発生します。例えば、競技会で上位入賞者が失格になれば、下位者が繰り上がって順位が更新されます。

繰り上げの例

1. 競技会・評価における繰り上げ

試験の成績、芸術作品やスポーツ競技の順位付けなど、様々な評価基準において繰り上げは起こり得ます。上位者が失格または降格した場合、空いた順位に下位者が繰り上がります。ただし、繰り上げは必ずしも行われるとは限りません。例えば、絶対評価の場合、上位の空きが下位の評価に影響を与えないため、繰り上げは発生しません。

特に、上位入賞が注目される競技会では、上位のみの繰り上げが報道されることもありますが、実際には順位付けの範囲内において全ての順位が繰り上げられるのが一般的です。例えば、8位入賞や3位入賞など、上位入賞者に関する報道では、上位の繰り上げのみが取り上げられることが多いですが、実際には、それ以下の順位も繰り上げられているのが通常です。

2. 選挙における繰り上げ

選挙においては、議員の辞職や死去によって欠員が生じた場合、次点だった候補者が繰り上げ当選となることがあります。これは、選挙の結果に基づいて順位が決定され、上位者が欠けた場合に下位者が繰り上がるという点で、競技会などの繰り上げと同様のメカニズムです。

3. 駅伝競走における繰り上げスタート

駅伝競走では、制限時間内に中継地点に到着できなかったランナーを待たずに、次のランナーをスタートさせる「繰り上げスタート」という方法があります。これは、時間的な制約の中で順位を競うという点で、他の種類の繰り上げとは少し異なる性質を持っています。繰り上げスタートした場合、そのチームの総所要時間は、後から繰り上げ前のランナーの到着時間などを加算して算出されます。

繰り下げ：順位や序列の降格

繰り下げは、繰り上げと対義語ではありますが、必ずしも正反対の意味ではありません。繰り上げが順位の上昇を意味するのに対し、繰り下げは順位の低下を意味します。しかし、繰り上げは順位が決定された状況で上位者の欠格などが発生した場合にのみ起こりますが、繰り下げは順位が定められた状況に限らず、いつでも発生する可能性があります。

例えば、東京タワーが東京スカイツリーの建設によって日本で最も高い建造物ではなくなった場合、東京タワーは「繰り下げ」となりましたが、東京スカイツリーは「繰り上げ」によって1位になったわけではありません。東京スカイツリーは、そもそも順位に含まれていなかった存在が新しく順位に入ったという点が、繰り上げとは異なる点です。

まとめると、繰り上げは、順位や序列が既に定められた状況において、上位者の欠格などを理由に下位者が上位に昇格する現象を指します。一方、繰り下げは、単に順位が下がった状態を指し、必ずしも繰り上げと正反対の現象ではありません。それぞれの状況を理解することで、これらの用語をより正確に理解することができるでしょう。

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