纒向古墳群

纒向古墳群

奈良県桜井市に位置する纒向古墳群は、古墳時代前期初頭に作られた重要な古墳群です。この群は、オオヤマト古墳集団に属し、特に柳本古墳群と隣接しており、三輪山の西麓に広がっています。古墳群の中でも、前方後円墳の発祥地と考えられており、日本の古代史において非常に重要な役割を果たしています。

概要

「オオヤマト古墳集団」は、奈良盆地の南東部に存在し、いくつかの古墳群が北から南へと連なっています。この中で、纒向古墳群は天理市から桜井市の「山辺の道」に沿って広がっており、地元の歴史や文化の象徴となっています。特に、盟主墳とされる箸墓古墳は、この古墳群における重要な存在で、初期ヤマト王権の象徴と見なされています。箸墓古墳は、3世紀後半から4世紀にかけて築かれたとされ、古墳時代を象徴する定型化された最初の前方後円墳として位置付けられています。

箸墓古墳は、以前より倭の女王卑弥呼の墓ではないかという説もあり、注目を集めています。現在、この古墳は宮内庁によって「倭迹迹日百襲姫命大市墓」として管理されています。

古墳の特徴

箸墓古墳以外の5基は「纒向型前方後円墳」として知られており、これらは特有の形状と特徴を持っています。これらの古墳は、前方部が非常に小さく、墳丘全長の比率が3:2:1という原則に従っています。また、後円部は円形ではなく、扁球形や不正円形であることが多いのが特徴です。箸墓古墳はこれらの古墳とは異なり、後円部が5段の構造で規模も大きく、他の古墳の約3倍の大きさを誇ります。

主な古墳

1. 纒向石塚古墳

この古墳は桜井市太田字石塚に位置し、周濠が確認されています。出土した遺物には、木製品や土器があり、年代測定の結果は177年のものとされています。

2. 纒向矢塚古墳

桜井市東田町字矢塚にあり、埋葬部は未調査ですが、出土品は埴輪や須恵器などが含まれます。

3. 纒向勝山古墳

この古墳は、他の古墳とほぼ正三角形に配置されていますが、埋葬部の詳細は不明です。

4. 東田大塚古墳

周濠外堤部からの出土品には陶器や木製品が含まれていますが、埋葬部は未調査です。

5. ホケノ山古墳

この古墳は箸墓古墳の近くにあり、大規模な石室が見つかっています。出土品には土器が含まれており、注目されています。

6. 箸墓古墳

最も有名な古墳であり、埋葬者は倭迹迹日百襲姫命とされ、周濠から多数の遺物が発見されています。

結論

全体として、纒向古墳群は、古代日本の歴史や文化を知る上で非常に重要な遺跡です。これらの古墳からは、当時の人々の生活や信仰、権力構造を垣間見ることができ、今後の研究や発掘調査に期待が寄せられています。

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