羅生門 (鍾乳洞)
羅生門とは
岡山県新見市草間に位置する羅生門は、阿哲台と呼ばれるカルスト台地に存在する、天然の橋と鍾乳洞が一体となった独特な地形です。この場所は、陥没ドリーネ群の中にあり、その特異な景観から、1930年に国の天然記念物に指定されました。さらに2007年には、日本の地質百選にも選ばれており、その学術的な価値も高く評価されています。
羅生門は、かつて存在した鍾乳洞の天井部分が陥没し、残った部分が天然の橋となったものです。この天然橋は、第一門から第四門までの4つの部分に分かれています。第一門は高さ38m、幅17mのアーチ状の橋で、他の門とは独立しており、その上部を通行することが可能です。
第二門と第三門は連結しており、3つの洞口を持つカルストトンネルとも言えます。第四門は、吸い込み穴の形をした非常に長い鍾乳洞で、その奥には地底湖が広がっています。第二門から第四門までは、一つのカルストトンネルとして繋がっており、第四門の奥には羅生門第一洞という吸い込み穴が存在したという記録もあります。
現在の状況
しかしながら、落石や西日本豪雨の影響により、現在は第一門のみを見学することが可能となっています。そのため、羅生門の全貌を目にすることはできませんが、第一門だけでもその壮大な姿を体感できます。第一門周辺は岩石が崩落する危険性もあるため、訪れる際は注意が必要です。
羅生門の歴史
羅生門は、その特異な地形から、映画のロケ地としても使用されました。特に、映画『八つ墓村』の公開時には、落武者がこの羅生門を背景にして撮影されたポスターが制作され、大きな話題を呼びました。このことからも、羅生門が持つ神秘的な雰囲気が感じられます。
参考文献
- - 光野千春・沼野忠之・高橋達郎 『原色図鑑 岡山の地学』 山陽新聞社、1982年、ISBN 4-88197-108-5。
- - 山陽新聞社編 『文化財写真集 岡山の美と心』 山陽新聞社、1990年、ISBN 4-88197-330-4。
関連項目
外部リンク
羅生門は、その独特な景観と地質学的な価値から、多くの人々を魅了する場所です。訪れる際は、自然の驚異を安全に楽しむよう心がけましょう。
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