羅祥安

羅祥安（ら しょうあん）：台湾の実業家

羅祥安（ルォ・シャンアン、英語名：トニー・ロー）は1949年に中華民国（現在の中華人民共和国）浙江省杭州市に生まれました。幼い頃、両親と共に台湾に移住し、国立新竹高級中学および国立台湾大学商学部を卒業後、中華貿易開発公司で海外貿易の業務に従事しました。

ジャイアント・マニュファクチャリングとの出会い

1973年、24歳のときにジャイアント・マニュファクチャリングの創立者である劉金標から誘いを受け、副総経理に就任します。同社は当初、従業員が約30名の中小企業でしたが、羅と劉の二人三脚で、当社は世界的な企業へと成長を遂げることになります。1979年には総経理に、2000年からは執行長（CEO）に就任しました。彼は劉の弟分とも称され、「安弟」という愛称で親しまれています。

企業の成長とブランド構築

羅は、ジャイアント・マニュファクチャリングでのマーケティングを担当し、同社の発展に尽力しました。特に1981年に確立した「Giant（捷安特）」ブランドは、彼の手腕によるものであり、製品開発を支援しつつ、自社製のマウンテンバイク「マエストロ」やその後継モデル「トランス」の発売に貢献しました。

近年の製造業における中国の台頭を見越し、羅は早期に中国大陸での生産を開始。また、自国生産品の高級化を図り、炭素繊維フレームを採用するなどの取り組みを行いました。2003年には「台湾自転車産業連盟」を設立し、初代会長として国内の自転車ブランドの育成に貢献しました。

公共サイクルの普及とその影響

2016年末にジャイアントのCEOを退任した後も、羅は劉と共に取締役として同社に関与しています。自転車文化の推進に情熱を持ち、公共シェアサイクル「YouBike」の普及にも関与しました。最初は劉の反対に賛同していましたが、その成功を受けて収益追求にとらわれない姿勢を強調しました。

家族とプライベート

羅の父親は中華民国国軍の軍人で、台湾に移住後は教員として働きました。妻は台湾の飲食業を営んでおり、彼らの間には子供が一人います。家族は自転車での台湾一周を何度も行うなど、サイクリングを楽しんでいます。

受賞歴

羅はその功績により、1982年には中華民国十大傑出青年に選出され、さらに2014年にはデンマーク自転車大使館リーダーシップ賞を受賞しました。2019年にはアメリカ合衆国の自転車供給業者協会から生涯業績賞も受賞しています。

現在の活動

近年は愛媛県や滋賀県など日本国内を訪問し、サイクリング文化の振興における助言を行っています。羅祥安は、台湾の自転車産業の成長を支える重要な人物であり続けています。

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