羅芸

羅芸について

羅芸（ら げい、生年不詳 - 627年）は、隋末唐初の時代に活躍した軍人および政治家であり、彼の生涯は戦いと権力の推移に翻弄されたものであった。彼の本貫は襄陽郡襄陽県であり、彼の人物像は性格の大胆さと戦闘能力の高さで知られていた。

生い立ちと初期の軍歴

羅芸は隋の監門将軍であった羅栄の子供として生まれ、京兆郡雲陽県に住んでいた。彼は非常に勇敢かつ豪放な性格を持ち、優れた弓術と槊の使い手であった。隋の大業年間には虎賁郎将に任ぜられ、高句麗遠征に従軍し、武衛大将軍の李景のもとで北平にて部隊を指揮したが、李景を侮辱する言動を繰り返していた。

隋末の動乱と叛乱

隋末期には多くの叛乱が発生し、涿郡はその標的となっていた。留守の将軍たちが支えることができない中、羅芸はたった一人で叛乱軍を数度撃退し、武勇によって軍中での評判を高めた。ある時、彼は叛乱部隊に対抗すべく長期にわたる糧食不足を理由に独自の戦略を立て、涿郡を奪還した。彼はこれを機に、反対派の指揮官を排除し、地域を掌握していく。

唐に帰順

その後、羅芸は宇文化及らの誘いを拒絶し、唐の李淵に帰順する決意を固めた。619年には唐に帰順し、燕王に封ぜられる。彼は李姓を賜り、その後も数度にわたって叛乱勢力と交戦し、華々しい勝利を収めていく。特に、秦王李世民が劉黒闥を討伐する際には、数万の兵を率いてその戦に参加し、優れた戦果を挙げた。

叛乱の計画と失脚

しかし、羅芸は次第にその甚大な功名から傲慢になり、李世民の側近に対して暴力行為を行ったことから、彼の地位は危うくなる。太宗李世民が即位すると、彼は開府儀同三司に任ぜられるが、次第に権力への欲望から叛乱を計画し、密かに兵を集め始めた。

彼は軍を動かし、豳州を占拠して反乱を決行したが、長孫無忌と尉遅恭に攻撃され、敗北を喫することになる。最終的には逃亡を試みるも、側近の裏切りに遭い、命を落とす結果となった。

最期

羅芸の最後は非常に悲劇的であった。逃亡中、彼は側近に殺され、その首は長安で公開された。彼の妻や弟も共に命を落とすことになり、その運命は彼の豪放な生き方の象徴的な結末となった。彼の功名と悲劇的な終焉は、時代の荒波に翻弄された隋末唐初の混乱を物語っている。

伝記資料

彼の生涯については『旧唐書』や『新唐書』に詳しい伝記が記されており、歴史的な人物像を形作る重要な資料として挙げられている。

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