羊の木

『羊の木』

『羊の木』は、原作が山上たつひこ、作画がいがらしみきおによる漫画であり、またこれを原作とした実写映画も存在します。漫画は、講談社が発行する雑誌『イブニング』にて、2011年第13号から2014年第9号まで連載され、全41話で構成されました。2014年には第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞するなど、その評価は高い作品です。

あらすじ

物語は、地方都市で進められる国の極秘更生プロジェクトから始まります。具体的には、過去に重大な犯罪を犯した元受刑者11人を特定の地方都市で受け入れるという計画です。この計画を知るのは市長である鳥原秀太郎やその友人たちのみで、元受刑者の正体は市民には一切知らされていません。舞台となるのは富山県の魚深市で、プロジェクトが進行する中で、元受刑者たちの普通ではない背景や過去が徐々に明らかになります。

登場人物

映画版では、物語の中心となるキャラクターの一人、月末一を錦戸亮が演じています。彼は元受刑者の受け入れを担当する魚深市の職員です。月末はバンドの活動を趣味としており、同級生の石田文（木村文乃）に好意を抱いています。文もまたバンドのメンバーであり、ギターを担当しています。

他にも様々な元受刑者のキャラクターが登場します。杉山勝志（北村一輝）は傲慢な釣り船屋であり、太田理江子（優香）は夫を衝動的に殺害した過去を持つ介護士です。また、栗本清美（市川実日子）や福元宏喜（水澤紳吾）、大野克美（田中泯）、宮腰一郎（松田龍平）など、多彩な背景を持つ元受刑者たちが物語に深みを与えています。

映画

『羊の木』は2018年に実写映画として公開され、初日2日間で約1.3億円の興行収入を記録しました。この映画は、特に元受刑者たちの設定が原作の漫画とは異なる点があり、原作では11人の元受刑者が登場するのに対し、映画版では6人に変更されています。また、映画は第22回釜山国際映画祭で「キム・ジソク賞」やトロント日本映画祭2018での「審査員賞最優秀賞」を獲得するなど、国際的にも評価されています。

制作スタッフ

映画の監督は吉田大八が務め、脚本は香川まさひとによって書かれています。音楽には山口龍夫が関与し、主題歌はニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズの「DEATH IS NOT THE END」が使用されています。製作には複数の企業が関与し、アスミック・エースが中心となっています。

まとめ

『羊の木』は、元受刑者たちを受け入れるプロジェクトを通じて、社会における再生や人間関係の複雑さを描いた作品です。漫画、映画ともに異なる魅力があり、視聴者や読者に深い理解を促すテーマが印象的です。

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