美しい悪魔たち

美しい悪魔たち

『美しい悪魔たち』は、1981年5月4日から8月3日までテレビ朝日系列の「月曜劇場」枠で放送されたテレビドラマです。全13回にわたるこの作品は、丹羽文雄の原作を基に、女性たちの複雑な人生を描いたものです。

あらすじ

物語は、主人公・別所元子が鎌倉の料亭「別所」を経営するところから始まります。元子は半身不随で言葉も話せない夫、順介に代わってこの店を切り盛りしています。彼女には四人の娘がいますが、実子は末娘の晴子だけです。残りの淳子、千枝、和代は、元子の亡き姉と順介との間に生まれた子供たちであり、血縁関係はありません。物語は元子や彼女の娘たちの視点を通して、それぞれの女性が抱える悩みや日常を描き出し、女性の自立や「娼婦性」をテーマに展開します。

毎回異なる視点から人物の人生を深掘りし、家族や恋愛、社会的な背景の中での葛藤が描かれています。８０年代に放送されたこのドラマは、当時の視聴者にとって新鮮な魅力を提供しました。

キャッチコピー「女よ。魔力を放ち、妖しく輝け。」は、この作品が女性の力強さと美しさを称賛するものであることを示しています。

主要キャスト

• - 別所元子（八千草薫）：料亭「別所」の主人であり、家族の中心人物。
• - 川本晴子（紺野美沙子）：元子の実娘で、タウン誌の編集員として活動。
• - 別所千枝（山口果林）：順介の次女。
• - 別所和代（金沢碧）：順介の三女。
• - 別所淳子（香山美子）：長女で、一郎と結婚しているが後に離婚。
• - 方波誠司（井川比佐志）：元子の恋人。
• - 林崎一郎（荒井注）：淳子の元夫。
• - 杉（寺田農）：淳子のカメラマンの同僚。
• - 館（松山政路）：大学講師。

様々な人間関係が交差し、登場人物それぞれの人生が豊かに描かれる中、視聴者は彼女たちの選択や苦悩を共感を持って見守ることになります。

各話のタイトル

ドラマは、毎回異なるタイトルが付けられます。初めの12話は、元子、淳子、千枝、晴子の順番で、それぞれのキャラクターに焦点を当てています。その後、4話ごとに「場合」「その後」「結末」という具合に変わっていきます。

• - 第1話「元子の場合」
• - 第2話「淳子の場合」
• - 第3話「千枝の場合」
• - 第4話「晴子の場合」
• - 以降、各話のタイトルが続きます。

制作陣

この作品は、丹羽文雄の原作「かえらざる故郷」に基づき、脚本は金子成人、演出は田中利一が手がけました。また、主題歌にはサーカスの「美しい悪魔たち」が使用され、作品のイメージを強く印象づけました。

『美しい悪魔たち』は、家族内の複雑な関係と、それぞれのキャラクターが持つ内面の葛藤を描写し、視聴者に深い感動をもたらした作品として、今も多くの人に記憶されています。

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