美しき季節の終焉

美しき季節の終焉（Seasons End）

『美しき季節の終焉』（うつくしきときのしゅうえん）は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、マリリオンによる1989年の5作目のスタジオ・アルバムです。元ボーカリストのフィッシュが脱退した後、新たにスティーヴ・ホガースが加入し、彼の初めての参加となる重要な作品です。

背景

バンドはフィッシュの退団後、彼の後任となるボーカリストを厳選するオーディションを行いました。スティーヴ・ロザリーはその際、フィッシュのようなカリスマ的な存在感や、優れた作詞家が再現できるわけではないと感じていました。このアルバムのリリース時期には、フィッシュもソロ・デビューを果たしており、そのことがメディアの反響にも影響を与えました。

また、特に収録曲「イースター」は、北アイルランドの歴史的な出来事や文学的な影響を強く受けた楽曲であり、ホガース自身が中心となって作り上げたものです。さらに、アルバムではジョン・ヘルマーが作詞界の新たなメンバーとして参加し、より多様な歌詞が生まれるようになりました。加えて、レコーディングはニック・デイヴィスが共同プロデューサーとして手掛け、作品のクオリティをさらに高めています。

反響・評価

アルバムはリリース後、全英アルバムチャートで最高7位を記録し、特にライブアルバムも含めると、マリリオンにとって6作目のトップ10入りとなりました。また、シングル曲「フックス・イン・ユー」は30位、「招かれざるゲスト」は53位、「イースター」は34位と、商業的にも成功を収めています。

音楽評論家のJeri Montesanoは、オールミュージックにおいてこのアルバムに4.5点を付け、ホガースの幅広い表現力が際立っていると称賛しました。また、『CDジャーナル』でも「多様でポップな変化が見られる」と好評を得ています。

収録曲

以下は、本アルバムに収められているトラックのリストです。特に作詞者は、主にメンバー全員が関わっています。CD版に準拠したリストであり、LP版では「アフター・ミー」を除く8曲が収録されています。

1. サンセット・タウンの王 - "The King of Sunset Town" (8:04)
2. イースター - "Easter" (5:58)
3. 招かれざるゲスト - "The Uninvited Guest" (3:52)
4. 美しき季節の終焉 - "Seasons End" (8:10)
5. ハロウェイ・ガール - "Holloway Girl" (4:30)
6. ベルリン - "Berlin" (7:48)
7. アフター・ミー - "After Me" (3:20)
8. フックス・イン・ユー - "Hooks in You" (2:57)
9. ザ・スペース - "The Space..." (6:14)

参加ミュージシャン

このアルバムには主に以下のメンバーが参加しています。

• - スティーヴ・ホガース - ボーカル、バッキング・ボーカル
• - スティーヴ・ロザリー - ギター
• - マーク・ケリー - キーボード
• - ピート・トレワヴァス - ベース、バッキング・ボーカル
• - イアン・モズレイ - ドラムス、パーカッション

さらに、アディショナル・ミュージシャンとしてジャン＝ピエール・ラスルがバグパイプ、フィル・トッドがサクソフォーンで参加しています。

総括

『美しき季節の終焉』は、マリリオンの新しい時代を象徴する作品であり、音楽的な挑戦や変化が見られる一枚です。スティーヴ・ホガースの加入によって生まれた新たなサウンドが、リスナーに新鮮な体験を提供しています。

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