美旗古墳群

美旗古墳群の概要

美旗古墳群（みはたこふんぐん）は、三重県名張市に所在する重要な古墳群です。国の史跡にも指定されており、地域の歴史に深く根ざした文化財として知られています。この古墳群は伊賀地方の東部、美旗地区に位置し、古墳時代の前期から後期にかけて築造されたものです。

この場所は、かつて地域を支配した有力者たちが築いたもので、伊賀地方において最大規模を誇ります。現在残されている主要な古墳は、前方後円墳が5基、横穴式石室を持つ円墳が1基、方墳が1基存在しています。中には残念ながら消失したものもあり、特に方墳の中にはカブト塚、矢羽塚、玉塚といった名で知られるものがあります。

1978年10月17日には、馬塚、貴人塚、毘沙門塚、女良塚、殿塚の5基の前方後円墳および赤井塚古墳が国の史跡に指定されました。これにより、美旗古墳群は地域の歴史的価値を再確認させるものとなりました。

主な古墳を紹介

馬塚古墳

馬塚古墳（うまづかこふん）は、美旗古墳群の中で最大の規模を誇る前方後円墳です。この古墳は、近鉄美旗駅の南側に位置し、全長142メートルもあります。後円部は直径98メートル、高さ14メートルの大きさで、前方部先端は幅100メートル、高さ6メートルに達しています。

貴人塚古墳

貴人塚古墳（きじんづかこふん）は全長約55メートルの前方後円墳で、後円部の直径は35メートル、高さは4.5メートルです。前方先端部の幅は35メートル、高さは4メートルで、6世紀初頭の築造とされています。

毘沙門塚古墳

毘沙門塚古墳（びしゃもんづかこふん）は全長約65メートルの帆立貝式古墳です。後円部の直径は約44メートルで、高さは7メートル。前方先端部は幅20メートル、高さは3メートルです。

女良塚古墳

女良塚古墳（じょろうづかこふん）は全長約100メートルの帆立貝式古墳で、後円部の直径は約73メートル、高さは9メートルです。前方部は幅40メートル、長さ約30メートル、高さ約3メートルとなっています。

赤井塚古墳

赤井塚古墳（あかいづかこふん）は、直径22メートル、高さ8.5メートルの円墳です。かつては直径30メートル前後あったと考えられており、南側に開口する両袖型の横穴式石室を有しています。この古墳は6世紀後半に築造されました。

殿塚古墳

殿塚古墳（とのづかこふん）は、美旗古墳群の中で最初に築かれた全長約92メートルの前方後円墳で、後円部の直径は56メートル、高さは7.2メートルです。前方部は幅40メートル、高さは6.2メートルであり、4世紀末頃に築造されたとされています。

文化財としての価値

美旗古墳群はその歴史的、文化的な価値から国の史跡に指定されており、1978年以降、多くの観光客や研究者が訪れる重要な遺跡となっています。関連施設では、歴史資料室が設けられ、訪問者に古墳群の魅力や背景を知ってもらうための展示が行われています。美旗古墳群は、地域の歴史を知る上で欠かせないスポットです。

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