美濃電気軌道デワ600形電車

美濃電気軌道デワ600形電動貨車

美濃電気軌道デワ600形電動貨車は、1922年に美濃電気軌道によって製造された電動貨車です。この車両は、名古屋電車製作所で5両（601-605）が作られ、木造の2軸構造で、主に美濃町線や揖斐線などで貨物輸送を行いました。電動輸送の手段として、美濃和紙などの搬送に活躍しましたが、貨物輸送量の減少により後に他の形式に改造されることになります。

車両の仕様と特徴

デワ600形電動貨車の基本仕様は以下の通りです：

• - 全長：7,569mm
• - 全幅：2,184mm
• - 全高：3,426mm
• - 自重：6.6t
• - 荷重：3.0t
• - 電気方式：直流600V（架空電車線方式）
• - 台車：ブリル21-E
• - 主電動機：50PS×2基

集電装置としてトロリーポールを装備しており、電動機は2基搭載されていました。この仕様により、当時の貨物輸送のニーズに応じた運行が可能でした。特に、美濃和紙の生産地である美濃地方において、地域の特産品をスムーズに運ぶ重要な役割を果たしたのです。

歴史の流れ

この電動貨車は1930年に名古屋鉄道に合併され、名岐鉄道の車両となります。1941年にデワ20形21・22と改称されました。残念ながら、21番は太平洋戦争の空襲で廃車となり、運命を共にした22番は改造を経て、美濃町線にて主に運行されることとなりました。しかし、このような運行も1964年に廃車になるまでの短命でした。

さらに、603〜605号の一部車両は電装解除され、ワフ200形（205-207）に改造されました。有蓋緩急車としての運行は、美濃町線や岐阜鉄道などで行われましたが、貨物運送の需要が減少したことから、最終的には1952年までに廃車となる結果となります。

結論

美濃電気軌道デワ600形電動貨車は、地域の経済や交通に大きく貢献した存在でした。その後の改良や廃車の経緯を経て、歴史の一幕として今も語り継がれています。このような歴史を持つ車両に思いを馳せることで、地域の文化や技術の発展を感じ取ることができるでしょう。これは単なる鉄道の一部を超えた、地域社会にとって重要な役割を担っていた存在であることを忘れてはいけません。

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