美術館通り (呉市)

美術館通りの概要

美術館通りは、広島県呉市にある全長約200メートルの通りです。呉市中心部から国立病院機構呉医療センターへと続く一方通行の道路で、呉市道幸町3号線の一部を構成しています。この通りは、呉市立美術館の開館に合わせて整備され、美しい景観と芸術的な雰囲気が特徴です。1987年には公募によって「美術館通り」という名称が決定しました。

歴史

この道は、かつて旧日本海軍の施設を結ぶ重要な役割を担っていました。戦前は、呉市街地と海軍工廠や海軍病院などを繋ぐ道として利用されていましたが、一般の地図には記載されていませんでした。戦後、旧海軍施設は連合国軍に接収され、その後、国有地となりました。

1966年、この道を含む公園敷地は呉市に無償で貸与され、市は史跡として「入船山公園」と命名しました。公園内には旧司令長官官舎などの歴史的建造物が保存され、入船山記念館として公開されています。

1981年には、呉市立美術館の開館に合わせて、美術館前の通りも整備されました。この際、歩道にはレンガ調のタイルやブロックが敷き詰められ、彫刻が設置されました。これにより、通りは芸術的な散策路へと生まれ変わりました。2010年には、旧軍港市転換法に基づき、公園一体が呉市に無償贈与されました。

景観と特徴

美術館通りは、美術館の外観に合わせたレンガ造りの歩道と、点在する屋外美術が特徴です。通りの両側には松並木が続き、その一部は樹齢400年を超える古木です。これらの要素が組み合わさり、歴史と芸術が融合した独特の景観を生み出しています。特に、タウンスクエアから美術館、入船山記念館へと続く約200メートルの区間には、15体の彫刻が並び、散策を楽しむことができます。

受賞歴

この美しい景観と歴史的な背景が評価され、美術館通りは1987年に「日本の道100選」に選ばれました。さらに、同年には建設省（現・国土交通省）の手づくり郷土賞（ふれあいの並木道）も受賞しています。

周辺施設

美術館通り周辺には、以下のような施設があります。

入船山公園
呉市立美術館
入船山記念館
入船山公園多目的広場
海上自衛隊呉基地
国立病院機構呉医療センター

路線データ

路線名：呉市道幸町3号線
起点：呉市幸町1番地地先
終点：呉市青山町10番地地先
延長：210m（幸町3号線216.5mの一部）
* 幅員：18.5m（最大27.5m、最小16m）

まとめ

美術館通りは、呉市の歴史と文化を象徴する場所であり、美しい景観と芸術的な雰囲気を楽しむことができる散策路です。呉市を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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