美醜の大地〜復讐のために顔を捨てた女〜

美醜の大地〜復讐のために顔を捨てた女〜

『美醜の大地〜復讐のために顔を捨てた女〜』は、藤森治見による日本の漫画作品で、『まんがグリム童話』にて2016年4月号より連載されています。

概要

物語は終戦間際、醜貌を理由とした同級生グループからの残忍ないじめ、社会的偏見、差別を受け、さらにはソ連軍樺太侵略（三船殉難事件）によって家族を失った女性が主人公です。彼女は過去を捨て、美容整形手術によって容貌を変え、身分を隠して、過去に自分を虐げた同級生グループへの復讐を遂行していきます。

電子書店での先行配信では、単行本第1巻の帯によると「デジタル配信80万DL超」を記録するほどの人気を博しました。2019年7月1日にぶんか社がリリースした漫画サイト「マンガよもんが」では、サービス開始時の100作品のうちの1作に選出されています。2021年6月には、ビーグリーよりアプリゲーム化され、2022年3月にはぶんか社のYouTubeチャンネル「禁断書店」で動画化されました。同年6月には、『まんが王国』2022年上半期人気漫画ランキングで総合6位を獲得するなど、多方面で注目を集めています。

主要登場人物

市村ハナ
本作の主人公。昭和2年生まれ。元来は家族思いで優しい性格でしたが、容姿と家庭環境のために過酷ないじめを受けます。樺太からの引き揚げ時にいじめグループの行動が原因で母親と弟を失い、復讐を決意。整形手術で美貌を手に入れ、「小石川菜穂子」と名前を変え、綿貫や深見など多くの男性を魅了します。復讐の際には、整形前の顔を模した仮面を着用し、ターゲットを破滅に追い込みます。
高嶋津絢子
いじめグループのリーダー格。高嶋津財閥の令嬢で、美貌とは裏腹に冷酷で残虐な性格。ハナを執拗にいじめ抜き、樺太からの引き揚げ船でハナを陥れた元凶。ハナに対して異常な執着心を抱いています。白川グループの御曹司・清二郎と結婚し、裕福な生活を送っています。

主要人物の関係者

内田胤篤
ハナに整形を施した闇医者。元軍医でドイツ留学経験があります。ハナの復讐心に興味を持ち、手術を請け負います。右脚が不自由です。
菊乃
ハナの協力者で、内田の助手。性転換手術を受けた元男性で、内田に救われました。ハナの唯一の理解者であり、弱音を吐ける相手。男装して百子に近づき、復讐をサポートします。
綿貫晋平
『月刊道民』の記者。菜穂子（ハナ）に一目惚れし、彼女の正体を追ううちに、過去の事件との繋がりを見出していきます。
深見栄一
ハナの協力者。弁護士。高嶋津家への復讐心からハナに協力します。絢子とは異父兄妹にあたる複雑な過去を背負っています。

ハナの復讐対象

内海敏恵
いじめグループの一人。ハナへのいじめの実行犯で、自己中心的で攻撃的な性格。旅館を経営していましたが、ハナの復讐によって全てを失います。
小倉百子
いじめグループの一人。受け身な性格で、絢子や敏恵に協力していました。ハナの復讐によって売春宿に売られ、精神を崩壊させられます。
奥田スミ子
いじめグループの一人。自分が美人であることを自覚しており、醜い者を見下します。ハナの復讐によって顔に硫酸をかけられ、事故死します。
瀬尾サチ
いじめグループの一人。ハナへのいじめに加担していましたが、後に改心します。ハナの復讐から逃れようとしますが、敏恵に利用されます。
常岡久次
ハナの女学校時代の担任。ハナを犯人だと決めつけ退学に追い込みました。ハナの復讐によって失明します。
桐谷ヤエ子
ハナの同級生。いじめを見て見ぬふりをしていましたが、窃盗癖を見抜かれ自殺します。

ゲーム

2021年6月8日にビーグリーからアプリゲーム化されました。プレイヤーは市村ハナの視点から選択肢を選び、復讐を進めていくストーリーです。

関連情報

* 三船殉難事件: ハナの家族が巻き込まれた事件。この事件がハナの復讐の原点となります。

もう一度検索