美馬橋

美馬橋の概要

美馬橋（みまばし）は、徳島県美馬市の美馬町と、美馬郡つるぎ町を結ぶ重要な道路橋です。この橋は、吉野川の左岸と右岸をつなげる役割を果たしており、地域住民の交通手段として欠かせない存在です。橋の形式は、右岸側から見て、ワーレントラス（スパン長38.05m）と、中央部分の流水部にはランガートラスが3連（スパン長63.2m）、さらにワーレントラスが5連（38mと38.05m）という構造を持っています。

架橋の背景と歴史

美馬橋が架けられる前には、約300メートル下流に喜来の渡しという渡し舟が存在していました。この他にも、道万の渡しや青石の渡しなど、地域の住民が川を渡るための方法がいくつかありました。しかし、1949年に小学生児童10人が亡くなる悲惨な事故が発生し、この出来事が原因で架橋への要望が高まりました。このような背景を受けて、1952年に工事が始まり、1959年には待望の開通を迎えました。

開通にあたっては、地域住民や関係者が祝賀会を開き、当時の代議士・真鍋勝氏の尽力を称えて、南詰めには彼の銅像が設置されています。美馬橋は1972年に香川県道・徳島県道4号坂出貞光線に指定された後、1982年には国道438号にも指定されています。

橋の技術的特性

美馬橋は、長い間地域の交通を支えてきたもので、橋が供用開始されたのは1959年です。全長は417.7メートル、幅員は約8メートル（車道6.5メートル、歩道1.5メートル）の設計です。技術的には、上路式鋼直弦ワーレントラスおよび下路式鋼ランガートラスのコンビネーションを用いており、合計で9連のスパンを持つ構造になっています。スパン長は各種異なり、具体的には38m、38.05m、63.2mという長さを有します。

この橋の施工は、上部工に松尾橋梁、下部工には銭高組が担当し、総工費は約2億1947万円に達しました。各年度ごとの工事の進捗も記録されており、1950年度の地質調査から始まり、1951年度に着工、1954年度には取合道路が完成し、その後上下部構造の建設が進められ、1959年4月4日に無事開通に至りました。

参考資料と関連項目

美馬橋に関する詳細な情報は、『道路橋大鑑』（土木界通信社、1961年刊）や、『阿波の橋めぐり』（坂本好、1999年）を参照することができます。また、吉野川にかかる他の主要な橋、例えば吉野川大橋（国道11号）、穴吹橋（国道193号）、池田大橋（国道32号）なども興味深い関連項目です。

美馬橋は、ただの交通手段であるだけでなく、地域の歴史や人々の暮らしに深く根付いた重要なインフラとして今なお機能しており、その歴史を知ることは地域理解を深めることにも寄与します。

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