群馬県立勢多農林高等学校

群馬県立勢多農林高等学校

群馬県前橋市日吉町に校舎を構える群馬県立勢多農林高等学校は、「勢農（せのう）」または「勢多農（せたのう）」の愛称で地域に親しまれている県立高校です。

概要

本校は、1907年（明治40年）に勢多郡会で設立が決議され、文部省の認可を経て、翌1908年（明治41年）4月15日に旧制実業学校である勢多郡立勢多農林学校として開校しました。開校当初は3学級120名の定員でした。同年7月には現在の所在地に校舎が完成し、移転しています。1914年（大正3年）4月には郡から県に移管され、群馬県立勢多農林学校と改称しました。そして、1948年（昭和23年）4月の学制改革により、新制高等学校として現在の名称である群馬県立勢多農林高等学校となりました。同年10月には4年制の定時制課程も設けられましたが、1954年（昭和29年）に募集を停止しています。

近年では、2016年（平成28年）4月に文部科学省から「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール（SPH）」の指定を受けるなど、専門性の高い教育への取り組みも進められています。

校章は、国学者である本居宣長の和歌「敷島の大和心を人とはば朝日に匂ふ山桜花」から着想を得て、山桜を図案化したものに「農林」の文字を配しています。ここには「農林業が国の基幹産業である」という強い自負と、清らかな大和の精神が込められています。

卒業生の結束が固いことでも知られ、2017年5月には「柳沢農業教育振興基金」が設立されました。この基金は、OBである柳澤本次氏（元県議会議長）が私財を寄付し、同じくOBである萩原弥惣治氏（元前橋市長）、中沢丈一氏（県議会議員）、岸善一郎氏（県議会議員）らが役員となり、群馬県の農業活性化を目的としています。

設置学科

本校には、農業や林業に関する幅広い専門分野を学べる学科が設置されています。

植物系（植物科学科、植物デザイン科）は、入学時にくくり募集を行い、2年次から各学科の専門コースに分かれて学習します。
植物科学科
野菜・草花コース
作物・果樹コース
植物デザイン科
植物バイオコース
フラワーデザインコース
動物科学科：動物に関する専門知識や技術を学びます。以下の2コースに分けて募集が行われます。
資源動物コース
応用動物コース
緑地土木科：農業や緑地環境に関連する土木技術を学びます。2年次から以下のコースに分かれます。
農業土木コース
緑地環境コース
食品科学科：食品の製造や加工、流通などについて学びます。

校歌

現在の校歌は、作詞：渋谷金丸、作曲：戸山学校により、昭和4年（1929年）に制定されました。

所在地

〒371-0017 群馬県前橋市日吉町二丁目25番1号

アクセス

上毛電鉄上毛線 城東駅より 徒歩約8分
上毛電鉄上毛線 三俣駅より 徒歩約11分
JR両毛線 前橋駅より 徒歩約25分

著名な出身者

政治家、研究者、スポーツ選手、俳優など、多分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

金子与重郎 - 元衆議院議員
山田悟六 - 元衆議院議員
萩原弥惣治 - 元前橋市長
中沢丈一 - 第81代群馬県議会議長
森本清吾（深澤清吾） - 群馬大学元教授、数学者
山崎敏 - 元プロ野球選手（埼玉西武ライオンズ）
手島実優 - 女優、モデル

主な部活動

学業だけでなく、部活動も盛んに行われています。特に農業に関する専門部や運動部では notable な実績を上げています。

硬式野球部 - プロ野球選手を輩出
陸上競技部 - 男子ハンマー投げが強豪として知られています
男子バスケットボール部 - 平成24年度インターハイ県予選でベスト8に進出
剣道部 - 令和2年度新人戦でベスト4入り
弓道部 - 男子個人が平成28年度に10年ぶりに関東大会へ出場
農業部 - なかでも造園部が高い成績を収めています

主な卒業後の進路

卒業生は、農業関連の専門学校や大学をはじめ、幅広い分野に進学・就職しています。共愛学園前橋国際大学は、卒業生である数学者・森本清吾氏の父、深澤利重氏が創設した「前橋英和女学校」を源流とする学校法人共愛学園が設置した大学の一つです。

東京農業大学
群馬県立農林大学校
共愛学園前橋国際大学
創造学園大学
上武大学
平成国際大学
群馬調理師専門学校
東海大学
大東文化大学

関連項目

群馬県高等学校一覧
旧制中等教育学校の一覧 (群馬県))
日本の農業に関する学科設置高等学校一覧

外部リンク

群馬県立勢多農林高等学校 公式サイト
群馬県立勢多農林高等学校公式YouTubeチャンネル

（参考文献：桂萱地区自治会連合会・桂萱村誌刊行委員会『桂萱村誌』、前橋市史編さん委員会『前橋市史』第4巻）

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