羽仁翹

羽仁 翹（はに ぎょう）

羽仁 翹（はに ぎょう、1931年3月3日 - 2004年10月28日）は、日本のジャーナリストであり、学校法人自由学園の3代目学園長を務めた人物です。教育者として、またジャーナリストとして多岐にわたる分野で活躍しました。

生い立ちと学歴

羽仁 翹は、羽仁賢良の三男として生まれました。叔父には羽仁吉一がいます。自由学園の創立者一族に生まれ、幼少期から自由学園の教育を受けて育ちました。自由学園初等部、男子部を経て、1953年に同最高学部を卒業しました。卒業後は、ジャーナリズムの世界へと進み、英字新聞ジャパンタイムズに入社しました。

ジャーナリストとしてのキャリア

ジャパンタイムズ入社後、羽仁 翹はジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせました。1960年には、フルブライト全給費奨学生としてアメリカのコロンビア大学ジャーナリズム大学院に入学し、修士号を取得しました。この留学経験は、彼のジャーナリストとしての視野を広げ、後の活動に大きな影響を与えました。

帰国後、ジャパンタイムズで編集者としての経験を積み、1977年には取締役編集局長に就任。その後、1982年には編集担当を務めるなど、編集部門で重要な役割を担いました。

自由学園での活動

1985年、羽仁 翹は長年勤めたジャパンタイムズを退社し、自由学園の副学園長に就任しました。ジャーナリズムの世界から教育の世界へと転身した背景には、自由学園への深い愛着と教育への強い情熱がありました。1990年には学園長に就任し、自由学園の運営に尽力しました。

学園長として、羽仁 翹は自由学園の教育理念を継承しつつ、時代の変化に対応した教育改革を推進しました。生徒たちの個性を尊重し、自主性を育む教育を目指し、その指導力は多くの教職員、生徒、保護者から信頼を集めました。

2004年、学園長を退任し名誉学園長となりました。しかし、同年10月28日、胃癌のため死去。73歳でした。

死後の評価

羽仁 翹の死後、その功績を称え、2005年には『よく生きる人を育てる - 偏差値ではなく人間値』という書籍が教文館から出版されました。この書籍は、羽仁 翹の教育理念や人物像を深く掘り下げたものであり、彼の教育に対する情熱と、人間形成への深い洞察が示されています。

ジャーナリストとして、そして教育者として、羽仁 翹は多くの人々に影響を与えました。彼の生涯は、ジャーナリズムと教育という二つの分野で、社会に貢献し続けた人物として、今後も語り継がれていくでしょう。

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