羽州浜街道

羽州浜街道：出羽の海岸線を繋ぐ道

羽州浜街道は、出羽国（現在の山形県と秋田県の一部）の日本海沿岸を南北に結ぶ主要な街道です。酒田宿より南では越後街道、北では酒田街道とも呼ばれることがあり、北国街道の延長として捉えられることもあります。

街道の概要

この街道は、北国街道の北端である鼠ヶ関（ねずがせき）から始まり、出羽国の海岸沿いの砂丘地帯をほぼ一直線に北上し、羽州街道の久保田宿（くぼたじゅく、現在の秋田市）へと至ります。現在の国道7号や国道112号などが、そのルートに相当します。

羽州浜街道は、参勤交代には利用されませんでしたが、主に商人や出羽三山への参詣者など、様々な人々が往来しました。俳句で有名な松尾芭蕉も、「奥の細道」の旅でこの街道を通行しています。

宿場

羽州浜街道には、以下の宿場が設けられていました。

鼠ヶ関宿（山形県鶴岡市鼠ヶ関）
温海宿（山形県鶴岡市温海）
大山宿（山形県鶴岡市大山）
浜中宿（山形県酒田市浜中）
酒田宿（山形県酒田市）
吹浦宿（山形県飽海郡遊佐町吹浦）
金浦宿（秋田県にかほ市金浦）
本荘宿（秋田県由利本荘市）
亀田宿（秋田県由利本荘市）
久保田宿（秋田県秋田市）

これらの宿場は、旅人の宿泊や物資の補給地として重要な役割を果たしました。

峠

街道には、以下の峠が存在しました。

笠取峠 - 温海宿と大山宿の間
矢引峠（矢引坂） - 温海宿と大山宿の間
三崎峠 - 吹浦宿と金浦宿の間

これらの峠は、街道の難所であり、旅人にとっては厳しい道のりでした。

参考資料

「街道の日本史11 最上川と羽州浜街道」横山昭男、吉川弘文館、2001年、ISBN 4-642-06211-4
「週刊日本の街道76 羽州浜街道 鼠ヶ関から久保田へ」講談社、2003年

これらの書籍は、羽州浜街道についてより深く知るための参考となります。

関連項目

街道
浜街道
羽州街道
北国街道
関所 - 鼠ヶ関

外部リンク

秋田街道情報
秋田市の街道

これらの外部リンクは、羽州浜街道に関する追加情報を提供する可能性があります。

羽州浜街道は、出羽国の歴史と文化を伝える重要な遺産です。この街道を辿ることで、当時の人々の生活や文化に触れることができるでしょう。

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