飽海郡

山形県飽海郡の詳細解説

飽海郡は、山形県の北西部に位置し、日本海に面した地域です。かつては出羽国、後に羽後国に属し、その歴史は古代にまで遡ります。

地理と人口

飽海郡は、庄内平野の一部を占め、北には鳥海山がそびえ立ちます。この豊かな自然環境が、農業、特に米作りに適した土地を形成しています。
現在の郡内には、遊佐町のみが存在し、人口は約1万1千人強、面積は約208平方キロメートルです。

歴史

古代から江戸時代

712年、出羽国が成立した際、飽海郡の領域も含まれていました。延喜式には、既に飽海郡が存在していたことが記されており、その範囲は現在の秋田県由利地方にも及んでいました。この頃の郡内には、大原郷、飽海郷など9つの郷が設置されていました。
戦国時代から寛文4年（1664年）までは、遊佐郡と呼ばれていました。

近代以降

幕末には、出羽国に属していましたが、戊辰戦争後の混乱を経て、羽後国へと所属が変わります。明治初期には、鶴岡藩や松山藩の支配下にありましたが、廃藩置県を経て酒田県の管轄となりました。その後、山形県に編入され、行政区画としての飽海郡が正式に発足しました。

明治から現代

町村制の施行により、多くの町村が誕生しましたが、昭和期には合併や市町村への編入が進みました。酒田市との合併により、郡内の多くの町村が姿を消し、2005年には八幡町、松山町、平田町が酒田市と合併し、現在の遊佐町のみが残る形となりました。

飽海郡の変遷

飽海郡は、その歴史の中で数多くの変遷を経験しています。

明治初期の支配体制の変革
町村制施行による行政区画の再編
昭和期の大規模な合併による市町村の変遷

これらの変遷を経て、現在の飽海郡は遊佐町という一つの町で構成されています。

現在の飽海郡

現在の飽海郡は、遊佐町が中心となり、豊かな自然と歴史を持つ地域として発展を続けています。鳥海山の恩恵を受けた肥沃な土地での米作りや、日本海の豊かな海産物が地域経済を支えています。

参考資料

角川日本地名大辞典 6 山形県
* 旧高旧領取調帳データベース

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