羽束山

羽束山（はつかやま）

羽束山は、兵庫県三田市にそびえる標高524メートルの山で、丹波高地に位置する独立峰です。この山は、兵庫50山の一つとしても知られ、別名「香下山」とも称されています。

概要

三田市の中心部から東に位置する羽束山の山頂には「羽束神社」があり、室町時代以前にはこの地域の重要な修験道の霊場でした。丹波修験道は、古代の信仰に基づく修行と宗教的実践が行われていた場所で、この神社はその中心的存在の一つでした。

山の最高峰から南に連なる「甚五郎山」（430メートル）は、羽束山と共に独特の山容を形成しています。この二つの山は、まるで二つの御椀を伏せたような形をしており、周囲からは「くじら山」という愛称で親しまれています。これは、その形が鯨の胴体と尾に似ていることに由来しています。

展望と登山

羽束山の山頂付近には展望台が設けられており、ここからは360度に近い大パノラマの景色が楽しめます。晴れた日には、遠くの山々や市街地を一望できることから、多くの登山者や観光客が訪れる人気スポットとなっています。

登山する場合、三田駅からのアクセスが一般的です。神姫バスを利用し、木器停留所または香下停留所で下車した後、登山道を登ります。道中は自然に囲まれた静かな環境が広がり、森林浴を楽しむことができます。

羽束川とその周辺

東の麓には「羽束川」が流れ、川は神戸水道の千苅貯水池へと繋がっています。この羽束川は周辺の自然環境を支えており、美しい風景を形成しています。自然が息づくこの地域は四季折々の表情が楽しめます。

和歌と文学

羽束山にまつわる文学的な背景として、新古今和歌集に収められた大江匡房による和歌が存在します。この詩は、源頼綱に捧げられたもので、羽束山の風景を歌に盛り込んでいます。具体的には、以下のような和歌です：

秋はつるはつかの山のさひしきに 在あけの月をたれとみるらん

この詩からは、羽束山ならではの風景や気候が情緒豊かに表現されています。

関連項目

羽束山は丹波高地や羽束川と密接に関連しています。また、ふるさと兵庫100山の一つとして、多くの人々に親しまれている存在です。

外部リンクとして国土地理院の地図閲覧システムも利用でき、羽束山を含む地域の詳細な地形を見ることができます。これにより、訪問者は羽束山の位置やアクセス方法を把握しやすくなっています。

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