翔傑喜昭

翔傑 喜昭

翔傑 喜昭（しょうけつ よしあき）は、1976年9月5日生まれ、静岡県天城湯ヶ島町（現在の伊豆市）出身の現役大相撲力士です。芝田山部屋に所属しており、入門時は放駒部屋でした。本名は仲原 克明（なかはら よしあき）。身長183.1cm、体重157.2kg、血液型はAB型。これまでの最高位は2009年3月場所の西幕下4枚目です。

来歴

静岡県立三島高校相撲部出身で、高校時代には国民体育大会への出場経験もあります。恩師の薦めを受け、高校卒業後に大相撲の道に進むことを決意し、放駒部屋に入門しました。1995年3月場所で初めて土俵を踏み、同期には栃乃花や大碇、豊乃國といった力士たちがいます。当初は順調に番付を上げ、1997年9月場所で三段目、1999年3月場所で幕下へ昇進しました。

しかし、その後は幕下と三段目の番付を往復する時期が長く続きました。ようやく幕下に定着できたのは、入門から8年以上経過した2003年11月場所以降のことです。2004年3月場所では、関取昇進の可能性が現実味を帯びる幕下15枚目以内に初めて名前を連ね、一時は自己最高位となる幕下4枚目まで番付を上げました。惜しくも関取への昇進は叶いませんでしたが、30歳代半ばを過ぎて年齢的な衰えが見え始め、2011年1月場所では再び三段目まで番付を落とす苦境に立たされました。

それでも、ここから再び盛り返し、徐々に番付を戻していきました。2013年1月場所後には、師匠である放駒親方（元大関 魁傑）の定年退職が迫り、引退を検討する時期もありましたが、2012年11月場所で6勝1敗と大きく勝ち越したことで現役続行を決意しました。師匠の退職に伴い放駒部屋が閉鎖されたため、芝田山部屋へと移籍しました。

息の長い相撲人生を送り、2022年1月場所に華吹が引退して以降は、現役の関取経験のない力士としてはもちろん、全階級を通じて最年長の力士となりました。

初土俵から長らく休場することなく本場所に出場し続け、連続出場記録を更新していましたが、2022年7月場所13日目に、芝田山部屋の関係者から新型コロナウイルス感染者が確認されたため、同部屋の力士全員がこの日から休場することになりました。これにより、翔傑も入門以来初めての本場所休場となりました。ただし、日本相撲協会では新型コロナウイルスに関連する休場について、力士自身の意思によるものではないという判断から、連続出場記録などは継続扱いとする特例措置を取っているため、翔傑の連続出場記録は途切れずに続いています。

エピソード

「駒乃富士」の四股名は、放駒部屋の若者頭であった花ノ国によって名付けられました。「翔傑」という四股名は、壁を打ち破る機運をつかみ、大きく羽ばたきたいという自身の思いと、入門当時の師匠であった17代放駒親方（元大関 魁傑）の現役時代の四股名「魁傑」から一字を取って、自身で命名したものです。この他にも、出身地にちなんだ「伊豆ノ国」も候補に挙がっていました。

元横綱の稀勢の里（現 荒磯親方）の付け人としても長く務め、その働きぶりは部屋の中でも重宝されていました。稀勢の里の横綱昇進直後には、当時西岩親方だった稀勢の里本人から「まだ、やめないよな!?」と念を押され、引き続き付け人を務めることになりました。2017年3月場所3日目の取組後には、稀勢の里の方から翔傑に声をかけ、二人が談笑する姿が見られました。

この日のNHK大相撲中継では稀勢の里の特集が組まれ、2004年1月場所13日目に行われた幕下優勝決定戦の映像が流されましたが、実はこの決定戦で稀勢の里が対戦した相手こそ、当時「駒乃富士」の四股名だった翔傑でした。

主な成績

（2025年5月場所終了現在）

通算成績：629勝624敗（180場所）

改名歴

仲原 克明（なかはら かつあき）：1995年3月場所 - 1996年7月場所
駒乃富士 克明（こまのふじ かつあき）：1996年9月場所 - 2000年5月場所
駒ノ藤 克明（こまのふじ かつあき）：2000年7月場所 - 2000年9月場所
駒乃富士 克明（こまのふじ かつあき）：2000年11月場所 - 2006年1月場所
翔傑 喜昭（しょうけつ よしあき）：2006年3月場所 - 現在

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