翠 (広島市)

翠地区の概要

翠（みどり）は、広島県広島市南区にある地域名で、この区内に位置する翠町をはじめとする町々を指します。旧称は「翠町」で、市の歴史的な変遷を追う上で重要な役割を果たしています。

地理・地誌

翠地区は、広島県を横断する太田川の三角州に位置し、猿猴川と京橋川に挟まれた中西部に広がっています。西翠町を除くと、ほとんどの地区が宇品通りと黄金山通りの北側や東側にあり、主に宅地が占めています。また、教育機関が集まる文教地区として知られ、進学塾や英会話教室が多く存在します。

住居表示

翠地区は、翠1〜5丁目と西翠町から構成されています。この中でも、西翠町は県道86号の西側に位置しており、周囲の地区とは明確に分かれています。

歴史

地名の由来

「翠」という名前は、この地域のかつての風景に由来しています。かつては一面に広がる蓮田があり、その蓮の葉の緑色から名づけられました。

整理された沿革

この地区は、江戸初期には広島湾の浅瀬に過ぎませんでしたが、1662年から1663年にかけて仁保島（現・黄金山）に至る新開地が造成され、新たな土地として開発が進みました。また、1889年には広島市制施行を経て、皆実町に編入されることになります。

1920年には海水浸入を防ぐための桜土手が完成し、1916年から1920年にかけてこの土手道に桜並木が植えられたことで、地域名とともに桜土手も人々に親しまれるようになりました。

1924年には旧制広島高校が開校し、このことが文教地区としての発展のきっかけになりました。さらに、1935年には交通の便が向上し、その結果として住宅団地が造成され、宅地化が進みました。1933年には町名が変更され「翠町」として独立の町名が与えられました。

戦時と復興

1945年の原爆投下では、多大な被害を受け、地区の約3分の2の家屋が半壊する結果となりましたが、戦後には他地区からの被災者が流入し、宅地が拡大しました。広島大学との連携にあたり、教育機関が増加し学生街として栄えることになります。

現在の翠地区

近年では、地域の住環境が改善されつつあります。特に、排水工事や道路整備が行われ、閑静な住宅街としての一面が強調されるようになりました。また、1990年代には新しい道路が開通し、地域の交通網も大きく変化しています。

施設と交通

現在、翠地区には広域の学校や公共施設が点在し、住民の生活基盤が整っています。交通面では広島電鉄宇品線が通っており、利便性が高い地域となっています。

著名な出身者

地域に因んだ著名人には、政治家の藤田正明や詩人の峠三吉などがいます。戦後の広島の復興に寄与した彼らの功績は、今なお多くの人に記憶されています。

まとめ

翠地区は、自然環境と教育機関の集積に恵まれた地域であり、歴史的な背景をもっています。これからの発展も期待されるこの地は、住みやすい環境を提供し続けることでしょう。

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