翼状陰茎

翼状陰茎：症状、診断、治療、そして予後

翼状陰茎とは、陰茎の先端部分の腹側の包皮が、陰嚢の皮膚と癒合している先天性の疾患です。見た目は、陰茎がまるで翼や水かきのように見えるのが特徴です。陰茎が皮膚に埋もれている埋没陰茎や、陰茎が短い矮小陰茎とは異なります。尿道や海綿体自体は通常、正常に発達しています。

多くの場合、自覚症状はありませんが、見た目の問題から、本人が受け入れがたいと感じるケースが多いようです。幸い、外科手術によって改善できる疾患です。

原因と発症

翼状陰茎は、先天的な奇形として、陰茎と陰嚢の皮膚の癒着異常から生じます。陰茎、尿道、陰嚢のその他の部分は通常、正常に発達しています。しかし、後天的に、つまり、包茎手術などの際に陰茎腹側の皮膚を過剰に切除してしまうことによって、発症することもあります。後天性の場合、医原性と言われています。

過剰に切除された皮膚は、瘢痕化し、陰茎が陰嚢の中に引っ込んだ状態（二次性包茎）を引き起こす可能性もあります。

症状

翼状陰茎の主な症状は、陰茎が直立しないことです。そのため、立位での排尿や性行為が困難になる場合があります。

目に見える症状としては、以下のようなものがあります。

狭窄した瘢痕性の包皮口
排尿困難

しかし、これらの症状は必ずしも全て現れるわけではありません。

診断

翼状陰茎の診断は、主に身体診察によって行われます。医師が陰茎の形状を観察することで、容易に診断できます。

治療

翼状陰茎の治療は、主に手術です。癒着している翼状の皮膚を切開し、拘縮を解除することで、陰茎の正常な形態を取り戻します。手術は比較的簡単で、日帰り手術で行われることが多いです。

予後

手術後の予後は良好です。しかし、軽度の浮腫が1～2ヶ月続く場合があり、手術痕が瘢痕として残る可能性があります。

疫学

翼状陰茎はまれな疾患であり、正確な有病率はわかっていません。尿道下裂を合併していることが多いですが、尿道下裂や陰茎の癒着を伴わない場合もあります。

関連疾患

* 埋没陰茎

まとめ

翼状陰茎は、外観上の問題や機能的な問題を引き起こす可能性のある先天性の疾患です。しかし、手術によって改善できる疾患であり、予後も良好です。もし、ご自身の陰茎の形状に不安を感じたり、排尿困難などの症状がある場合は、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けてください。早期の診断と治療は、QOL（生活の質）の向上に繋がります。

もう一度検索