老兵は死なず (映画)

『老兵は死なず』

『老兵は死なず』（ろうへいはしなず、原題：The Life and Death of Colonel Blimp）は、1943年に公開されたイギリス映画で、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーが監督、制作、脚本を務めました。この作品は、戦争を背景にした人間の絆や闘いを描いており、当時の社会状況を反映しています。

あらすじ

物語は1942年のイギリスから始まります。若い兵士たちがホテルを占拠し、老兵クライヴ・ヴィン＝キャンディが入っているトルコ風呂に無理やり侵入します。若兵たちが戦争開始の時期を求める中、老兵は「戦争は真夜中からだ」というセリフを繰り返し、戦争への反発を示します。このやり取りから、老兵の過去が語られることになります。

物語は1902年に遡り、クライヴは南アフリカから帰国します。彼はドイツに住む女性、エディット・ハンターから手紙を受け取り、彼女に誘われる形でベルリンへ向かいます。エディットは、クライヴの旧友であるドイツ人カウニッツが反英プロパガンダを行っていることを伝えます。クライヴはカウニッツに会い、初対面から喧嘩に発展します。この決闘により、クライヴは傷を負うことになりますが、二人の間には意外な友情が芽生えます。

1次世界大戦の最中、クライヴは英国兵士としてフランスに駐留。そこでエディットに似た女性と出会います。彼は結婚を果たすものの、元々の友人テオとの絡みが関係に影響を与え、物語は徐々に複雑化していきます。その後、クライヴはテオからエディットと結婚し、二人の息子がいることを知らされます。

物語は1939年へと進み、テオがイギリスに亡命します。彼の妻エディットが亡くなり、息子たちがナチスに参加したことで、悲劇的な状況に直面します。テオの状況を理解しようとするクライヴは、友情の価値や過去の戦争がもたらした影響を見つめなおします。

評価

映画『老兵は死なず』は、当初公開された際には評価が芳しくありませんでした。特に独英の友好関係を描くこの作品は、ナチスドイツや当時のイギリス政府から強い反発を受け、公開禁止となりました。しかし、戦後には評価が高まり、敵同士の絆を描いたことが注目され、多くの映画監督に影響を及ぼした作品となりました。この映画は、数々の映画批評家から「偉大なイギリス映画」として称賛されています。

キャスト

• - ロジャー・ライヴシー
• - デボラ・カー
• - アントン・ウォルブルック
• - ウルスラ・ジーンス
• - ジェームズ・マッケチニー

この作品は映像表現やストーリーの深さからも、現在でも多くの人々に愛され続けています。

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