耒タルベキ素敵

耒タルベキ素敵



『耒タルベキ素敵』は、日本の著名な歌手である沢田研二2000年にリリースしたオリジナル・アルバムです。このアルバムは彼の37作目にあたりますが、特に注目すべき点は、全23曲からなる初の2枚組であることです。2000年9月13日に東芝EMI/イーストワールドから発表され、2002年にはJULIE LABELより再発されました。この作品は「20世紀の集大成」というテーマで制作されており、沢田自身の音楽だけでなく、日本の音楽界における彼の影響と貢献をも感じさせる内容となっています。

それぞれの曲は、沢田が関わりを持ったミュージシャンたちによって1曲ずつ提供されています。そのため、アルバム全体を通じて、多様な音楽スタイルやアプローチが表現されており、リスナーは沢田の音楽活動の軌跡や、日本における音楽史の一端を垣間見ることができます。

全楽曲の編曲は白井良明が手掛け、ビジュアル面では早川タケジがアートディレクションを担当しています。アルバムの中では、沢田自身が作詞を行った曲が10曲を占めています。例えば、「A・C・B」という楽曲は、ザ・タイガースが東京に上京した際に拠点としていたライブハウスの名前からインスパイアを受けて作られました。また、「ブルーバード ブルーバード」では、同じくザ・タイガースの「青い鳥」にオマージュを捧げています。さらに『君のキレイのために』は、大沢誉志幸の作品「おまえにチェックイン」を意識した楽曲としての側面を持っています。

注目すべきは、覚和歌子が手掛けた「あなたでよかった」という曲であり、これは沢田の実父に捧げたものです。このように、アルバムには沢田自身の個人史や感情が色濃く映し出されている作品が多く存在します。

また、アルバムには洋楽のパロディも多く見られます。「everyday joe」のイントロはジミ・ヘンドリックスの「PURPLE HAZE」にインスパイアされ、「キューバな女」のイントロはサンタナの「哀愁のヨーロッパ」から影響を受けています。

ライブパフォーマンス



『耒タルベキ素敵』を引っ提げての全国ツアーは2000年9月から11月にかけて行われました。このツアーでは、アルバムの全23曲に焦点を当て、各曲がライブパフォーマンスで披露されました。アンコールでは「勝手にしやがれ」といったさらなる名曲も演奏され、多くのファンを魅了しました。

収録曲



以下はアルバムに収録された楽曲のリストです。

DISC 1
1. A・C・B(作詞: 沢田研二 / 作曲: 伊豆田洋之
2. ねじれた祈り(作詞: GRACE / 作曲: 加瀬邦彦
3. 世紀の片恋(作詞: 覚和歌子 / 作曲: 下山淳)
4. アルシオネ(作詞: GRACE / 作曲: 伊藤銀次
5. ベンチャー・サーフ(作詞: GRACE / 作曲: 井上堯之
6. ブルーバード ブルーバード(作詞: 沢田研二 / 作曲: 森本太郎
7. 月からの秋波(作詞: 沢田研二 / 作曲: 川村結花
8. 遠い夜明け(作詞: 覚和歌子 / 作曲: 平井夏美)
9. 猛毒の蜜(作詞: GRACE / 作曲: 山下尚輝)
10. 確信(作詞: GRACE / 作曲: 吉田建
11. マッサラ(作詞: 沢田研二 / 作曲: 西平彰
12. 無事でありますよう(作詞: 沢田研二 / 作曲: 大山泰輝)

DISC 2
1. 君のキレイのために(作詞: 覚和歌子 / 作曲: 大沢誉志幸)
2. everyday Joe(作詞: 覚和歌子 / 作曲: ムッシュかまやつ)
3. キューバな女(作詞: 沢田研二 / 作曲: 大野克夫
4. 凡庸がいいな(作詞: 沢田研二 / 作曲: 白井良明)
5. あなたでよかった(作詞: 覚和歌子 / 作曲: 依知川伸一)
6. ゼロになれ(作詞: 覚和歌子 / 作曲: 原田真二
7. 孤高のピアニスト(作詞: 沢田研二 / 作曲: 宮川泰
8. 生きてる実感(作詞: GRACE / 作曲: 加藤ひさし
9. この空を見てたら(作詞: 沢田研二 / 作曲: 過ぎやまこういち)
10. 海に還るべき・だろう(作詞・作曲: 沢田研二
11. 耒タルベキ素敵(作詞: 覚和歌子 / 作曲: 吉田光)

このように『耒タルベキ素敵』は、沢田研二の音楽活動の集大成を象徴するアート作品であり、リスナーに深い印象を残すアルバムとなっています。

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