耕洋丸 (3代)

耕洋丸（こうようまる）

耕洋丸は、1978年に水産大学校によって運用されていた漁業練習船で、同校の漁業実習と研究に重要な役割を果たしました。この船は、以前の2代目耕洋丸の後継として、林兼造船下関造船所で建造されました。その活動は、若手漁業者の育成と漁業における科学的調査の両方に貢献しました。

概要

耕洋丸は1978年に就航し、2007年には4代目の耕洋丸が登場したことで引退に至りました。引退後の2016年には、「NORTHERN QUEEN」という名前に改名され、フィリピンのマクタン島近くの「Cebu Yacht Club」に係留されています。これにより、長い航海の歴史を持つ船が新たな用途で利用され続けていることが伺えます。

設計

この船は、漁業実習および海洋研究を行う目的で設計され、遠洋航海に対応するためのさまざまな漁労設備が備えられています。特に、トロール漁法やマグロ延縄漁法、流し網漁法など、多岐にわたる漁業技術に対応できるようになっています。前代のサイド・トロール型から改良され、スターン・トロール型を採用したことで、漁の効率が向上しました。また、トロール装置は遠隔操作が可能で、非常に高い自動化がなされていました。

装置には魚群探知機や魚網監視装置、音響測深機なども搭載されており、正確な漁業現場のデータ収集が可能です。さらに、研究用の設備が特定の研究目的で2つの研究室に分かれて設置されており、海洋観測や水質分析を行うために充実しています。観測用ウインチも甲板に設置され、トロール用ウインチの一部を観測用として利用することも可能です。

学生に対しても配慮されており、学生室は6人定員、部員室は2人定員です。また、日本で初めて燃焼式汚水処理装置を搭載していることから、環境への配慮も見逃せません。

登場作品

耕洋丸は、永井明による著作『あやしい船医、南太平洋をゆく』に登場します。この作品は、医師であり医療ジャーナリストでもある永井が船医として乗船し、その体験を基に書かれたもので、船の特色やそれに関わる人々の様子が描かれています。

参考文献

• - 「漁業練習船“耕洋丸”の概要」『船の科学』第31巻第12号、船舶技術協会、1978年。

外部リンク

• - 水産大学校 - 歴代練習船
• - MarineTraffic.com

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