耿継元

耿継元（てき けいげん）

耿継元（1240年 - 1294年）は、モンゴル帝国（大元ウルス）に仕えた漢人官僚です。字は舜臣。

『元史』には立伝されていませんが、『畿輔通志』や『新元史』にその事績が記されています。

生涯

耿継元の祖父である耿福は、興定2年（1218年）にモンゴル帝国に降りました。漢人世侯の一人として、武仙との戦いで活躍したことで知られています。耿福の息子の耿孝祖の三男が耿継元であり、幼いころから学問に親しみ、『春秋左伝』や『司馬氏通鑑』を好んでいました。

18歳の時にケシクテイ（宿衛）に入り、3年後に束鹿県尹の地位を承継しました。その後、固安州・錦州の判官、葛城・大同・河間三県尹、同知絳州事を歴任しました。

錦州に赴任中、盗賊が掠奪を行って民を苦しめていることを知ると、耿継元は自ら盗賊の巣窟を攻撃してその首魁を誅殺しました。このため、盗賊の脅威から解放された民は耿継元を称え、その山を「耿公山」と呼ぶようになったと言われています。また、煤炭を産出する山の利権を得ようとする達官がいることを知ると、耿継元はこれに反対してやめさせました。

至元31年9月10日（1294年9月30日）に55歳で亡くなり、その15日後に葬られました。

耿継元は、高陽郡夫人に追封された葛氏と朱氏を娶っており、耿蔚・耿煥・耿蔽という3人の息子がいました。この中で、耿煥は中書左丞という高官にまで至り、翰林待講学士の張起巌に『耿公先世墓碑』の撰文を依頼しています。

参考文献

池内功「モンゴルの金国経略と漢人世候の成立-１-」『創立三十周年記念論文集』四国学院大学編、1980年
『新元史』巻143列伝40耿福伝

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