聖サワ大聖堂

聖サワ大聖堂：セルビア正教の象徴

聖サワ大聖堂は、セルビアの首都ベオグラードにそびえ立つ、世界最大級の正教会大聖堂です。その壮大なスケールと美しい建築様式は、訪れる人々を魅了し、セルビア正教の重要な象徴となっています。

歴史と背景

この大聖堂は、セルビア正教会の創始者であり、中世セルビアにおいて重要な人物であった聖サワを記念して建てられました。聖サワは、セルビアの人々にとって精神的な支柱であり、その功績は今もなお深く敬われています。大聖堂は、オスマン帝国のシナン・パシャによって1595年に聖サワの不朽体が焼かれたとされるヴラチャル地区に位置しています。この場所は、ベオグラードの街を一望できる高台であり、大聖堂の荘厳さを一層引き立てています。

建築と特徴

聖サワ大聖堂は、ギリシャ十字の形をしています。その巨大なドームは、遠くからでも一目でわかるほど印象的です。大聖堂の建設は1935年に開始されましたが、第二次世界大戦や社会主義政権下での中断を経て、2020年現在もなお工事が続けられています。しかし、鐘や窓が設置され、ファサードが完成するなど、外観はほぼ完成しています。現在、内装と装飾の工事が進められています。

大聖堂の建設は、もっぱら寄付によって支えられています。多くのセルビア人が、その完成を心待ちにしています。また、大聖堂の近くには総主教邸があり、将来的に総主教館となる予定です。

聖堂としての位置づけ

聖サワ大聖堂は、その規模と重要性から「大聖堂（Cathedral）」と呼ばれることが多いですが、教会としての正式な位置づけは主教座聖堂ではありません。ベオグラード府主教座は、聖ミハイル大聖堂です。しかし、セルビアの人々の間では、聖サワ大聖堂は「フラム（Храм）」、すなわち「神殿」として特別な存在となっています。

訪れる人々へ

聖サワ大聖堂は、セルビア正教の信仰の中心であるだけでなく、ベオグラードのランドマークとしても重要な存在です。その壮大な建築と美しい装飾は、訪れる人々に感動を与え、セルビアの歴史と文化に触れる機会を提供します。工事中ではありますが、内部の見学も可能です。ベオグラードを訪れる際には、ぜひ聖サワ大聖堂を訪れてみてください。

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