聖ナウム修道院

聖ナウム修道院

聖ナウム修道院は、北マケドニアのオフリド湖畔に佇む、歴史と精神性に満ちた東方正教会の修道院です。オフリド市街地から南へ約29km、アルバニアとの国境近くに位置し、その美しい景観と豊かな歴史は、訪れる人々を魅了し続けています。

歴史

修道院は、905年に第一次ブルガリア帝国の時代に、聖ナウムによって創建されました。聖ナウム自身もこの修道院で生涯を終え、910年に修道院内の教会に埋葬されました。中世以来、多くの巡礼者がこの地を訪れ、信仰の拠り所として重要な役割を果たしてきました。

教会の建物は、オスマン帝国領であった時代に破壊されましたが、16世紀から17世紀にかけて再建され、現在の姿となりました。歴史の荒波を乗り越え、再建された教会は、聖ナウムの精神を受け継ぎ、今もなお神聖な場所として人々に崇められています。

国境を越えた歴史

20世紀初頭、この修道院のある土地は、1912年から1928年6月までアルバニア領でした。その後、アルバニア大統領（のち国王）ゾグー1世によって、アルバニアとユーゴスラビアの友好の証として、ユーゴスラビアに割譲されました。ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の解体後、この地は北マケドニアに属することとなり、現在に至ります。国境を越えた歴史を持つこの修道院は、地域の平和と友好の象徴としても重要な意味を持っています。

観光地として

現在、聖ナウム修道院は、北マケドニア国内でも有数の観光地として知られています。オフリド湖の美しい景色を背景に、修道院の荘厳な建物や歴史的な価値に触れることができます。また、周辺には自然豊かな環境が広がっており、ハイキングやボート遊びなども楽しめます。オフリド市街地からは路線バスが運行しており、約40分でアクセス可能です。

聖ナウム修道院は、信仰の場であると同時に、歴史、文化、自然が融合した魅力的な観光地です。オフリドを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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