聖パンテレイモン修道院 (アトス山)

聖パンテレイモン修道院は、ギリシャのアトス山に位置する正教会の修道院です。この修道院は、ロシア人修道士によって運営されている点が特徴で、そのためにギリシャ語で「ロシアの」を意味する「ロシコン」という別名でも知られています。アトス山には数多くの修道院がありますが、聖パンテレイモン修道院はロシアの文化と宗教的な伝統を色濃く反映している点が際立っています。

修道院の歴史は11世紀にまで遡りますが、現在の建物が建てられたのは1765年のことです。主聖堂は1812年に起工し、1821年に竣工しました。この聖堂は、アトス山の他の修道院と同様の建築様式を踏襲していますが、内部のフレスコ画イコンは19世紀のロシア風のスタイルで描かれており、独特の雰囲気を持っています。修道院内には、この主聖堂の他に多くの小聖堂も存在します。

19世紀初頭には、修道院の建設が積極的に進められ、モルド・ヴァラキアの支配者からの財政的な支援も大きく貢献しました。これにより、修道院は大きく発展し、多くの修道士が集まる場所となりました。しかし、20世紀に入ると、修道院はいくつかの試練を経験しました。

1968年には大規模な火災に見舞われ、多くの建物が損傷しました。さらに、修道士の数も大きく減少しました。1895年には1000人、1903年には1446人もの修道士がいましたが、1990年現在では、修道院で生活する修道士は35人にまで減少しています。この減少の背景には、ロシア正教会の歴史におけるソ連時代の無神論政権による弾圧の影響も指摘されています。

聖パンテレイモン修道院は、その長い歴史の中で、様々な困難を乗り越えながら、今日に至るまで宗教的な活動を続けています。ロシアとギリシャの文化が融合したこの修道院は、アトス山を訪れる多くの巡礼者や観光客にとって、重要な聖地の1つとなっています。

外部リンク:

Mount Athos: The Monastery of Agios Panteleimon （英語）

Монастырь святого великомученика Пантелеимона (Подворье Русского на Афоне Свято-Пантелеимонова монастыря. Москва.) （ロシア語）

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