聖天院

聖天院（しょうでんいん）

埼玉県日高市に位置する聖天院は、真言宗智山派に属する寺院であり、その正式名称は高麗山聖天院勝楽寺です。この寺院は、武蔵野三十三観音霊場の二十六番札所としても知られています。

歴史

聖天院は、古代高麗王若光の菩提寺として設立されました。寺名は、若光が高句麗から持ち帰った歓喜天を本尊としていることに由来します。1345年には法相宗から真言宗に転宗し、後の1592年には徳川家康が関東に入国した際、寺領として高麗郷内に15石を寄進しました。

院内には、美しい庭園や高麗王若光の墓所、さらには在日韓民族無縁慰霊塔が設置されています。この慰霊塔は、関東大震災における朝鮮人虐殺や太平洋戦争中の朝鮮人の犠牲者を追悼するために築かれました。高麗王若光の陵墓には、韓国の元首相である金鍾泌の揮毫による墓碑もあります。聖天院の紋章は菊花紋章です。

文化財

聖天院には、いくつかの重要な文化財が存在します。国指定の重要文化財としては、1261年の銘が刻まれた梵鐘があります。埼玉県指定の有形文化財には、聖天院応仁鰐口が含まれ、また市指定の有形文化財には聖天院阿弥陀堂や聖天院山門、徳川将軍歴代寺領寄進状、木造観音勢至菩薩両立像、聖天院元禄四年銅鐘などがあります。

特に、慰霊塔は韓国併合の矩を示す重要な象徴であり、高さ16メートル、36段からなる石塔が2000年に建設されました。この塔の下には日韓親善協会中央会会長三塚博によって建立された慰霊碑も設置されています。また、毎年行われる慰霊祭では、多くの人々が集まり、過去の悲劇を記憶し、祈りを捧げます。

アクセス

聖天院へのアクセスは、JR八高線および川越線の高麗川駅から徒歩約30分となっています。また、首都圏中央連絡自動車道の狭山日高インターチェンジからは約15分で到着可能です。

周辺情報

聖天院周辺には高麗神社や高麗郷古民家などの観光スポットも点在しています。訪れる人々は歴史や文化を体験することができ、聖天院はそうした旅の一部として訪問されることが多くあります。

参考文献

• - 埼玉県立歴史と民俗の博物館 編『高麗郡 (Komagun) 一三〇〇年:物と語り:渡来人の軌跡をたどる:特別展』埼玉県立歴史と民俗の博物館、2016年。

詳しくは、聖天院の公式ホームページや武蔵野三十三観音霊場の公式サイトを訪れると良いでしょう。

もう一度検索